|
|
契約社員
契約社員については、決まった定義はありません。
本来は、デザイナーなど高度の専門職との間にかわされる期間契約(1年以内)社員をさすことが多かったようです。
現在ではもはや定義らしきものすらなく、あえて言うなら、採用や労働条件が正社員とは異なる雇用契約を結んだ労働者です。
正社員と異なる労働契約を結んだ労働者には、例えば、契約社員のほかにも、パート、アルバイト、準社員、嘱託、非常勤、臨時社員の呼称などがあります。
そこで、いわゆる正社員とは別の労働条件の下に、給与額や雇用期間など個別の労働契約を結んで働く常勤社員のことを契約社員と呼ぶことにします。
契約社員は、将来の保障を会社から受けることはできませんが、そのかわり、正社員の給与体系では得られない、特別の待遇を受けることも可能な働き方といえます。
一般的に高度な専門的能力を持つスペシャリストを迎えるにあたり、正社員に対する給与体系では処遇しきれないことなどを理由として、別体系として契約社員制度を導入するケースが多いようです。
----------
・メリット
自分の都合(勤務日・時間など)にあわせて働ける
定められた契約の範囲内で勤務できる
高い専門性や、能力を評価してもらいやすい
派遣会社を通さないため、賃金面ではその分高くなる場合もある
・デメリット
昇給・昇進がない場合が多い
キャリアプランの設計や、雇用の保証が難しい
会社との間に何かおきても、間に入ってくれる人がいない
契約更新、社会保険などの交渉も全て自分でやらなければならない
正社員に比べて、雇用調整の対象になりやすい
----------
・契約
労働契約に期間の定めのない場合は、一定の手続を踏むことによって、使用者から解雇を行ったり、また、労働者から退職することができます。
ただし、使用者から解雇をするには正当な理由が必要です。
労働契約に期間に定めのある場合は、期間満了によって労働契約はそのつど自動的に終了することになります。
この場合、雇用主も労働者も、更新を希望しない旨の意思表示をする必要はありません。
ただし、少なくとも過去に1回以上契約を更新している人の場合、その更新が慣習となっているところもあるようです。
その場合は、いずれか更新を希望しない側が、相手に対して事前に、この契約をもって以後更新しないとの意思を表示する必要があります。
また、複数回の更新を重ねて継続的に雇用され、実質的に正社員と変わらない雇用形態になっている契約社員の場合には、更新拒否に正当な理由が必要となります。
正社員に対する解雇予告同様、契約期間満了の30日前には雇い止めの通知をしなければなりません。
行き過ぎた更新拒否は権利の乱用として無効になることもあります。
・労働条件
期間、勤務時間、賃金などを個別に契約します。
週の何日働くかを契約に明記することによって、その日以外はほかの会社で働くこともできます。
契約内容に勤務時間まで細かく盛り込むことによって自分の好きな時間帯を選ぶことも可能です。
原則的に昇給・昇進とは無縁で、社内行事、会社への忠誠心といったものに拘束されず、人間関係のわずらわしさからも解放されて、比較的気ままに働けるメリットもあります。
契約で定めた期間は、雇用主、労働者双方とも、特別な事情がない限り一方的に契約を解除することはできません。
双方が合意すれば契約を更新することができますが、働く側が続けて働きたいと希望しても、会社側が更新を拒否すれば、期間満了をもって自動的に雇用関係は終結することになります。
・期間
契約期間については、法律上は、3年を超える契約は無効です。
しかし、更新を前提とした契約の場合も結構ありますので、その点も留意します。
例外的に最長5年までの契約が認められるものを以下に記載しておきます。
博士の学位を有するもの
公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、薬剤師、不動産鑑定士、弁理士、技術士、社会保険労務士、税理士のいずれかの資格を有するもの システムアナリスト試験、アクチュアリー資格のいずれかの能力評価試験の合格者
特許発明の発明者等
一定の学歴及び実務経験を有する、農林水産業の技術者、鉱工業の技術者、機械・電気技術者、建築・土木技術者、システムエンジニア、デザイナーで、年収が1,075万円以上の者(学歴及び実務経験の要件は、大学卒+実務経験5年以上、短大・高専卒+実務、経験6年以上、または高卒+実務経験7年以上)
国等により有する知識等が優れたものと認定されている者
満60歳以上のもの
・賃金
賃金は、それぞれの企業等の規定によります。
賞与や退職金についても、正社員並みに支給される会社もあれば、そうではない会社もあります。
・法令の適用
契約社員には、賃金の支払、労働時間、割増賃金、休憩、休日、有給休暇、解雇予告その他労働条件の最低基準を定めた労働基準法が適用されます。
労働基準法は1947年に成立して施行された法律で、労働者の生存権を保障するために、労働契約・賃金・労働時間・休日および年次有給休暇・災害補償・就業規則など、労働条件の基準を定めています。
このほか、雇用均等法、セクハラ指針などの適用もあります。
雇用均等法は、1985年に成立して1986年に施行された法律で、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」を指します。
セクハラ指針は、1998年の労働省告示第20号で、「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上配慮すべき事項についての指針」を指します。
育児介護休業については原則非適用ですが、契約期間の更新状況等の実態に応じて、適用をうけることができる場合も生じることがあります。
期間雇用者(実質的に期間の定めのない契約と同じであれば対象となる)については、雇用保険の一般被保険者(短時間労働被保険者を含む)で、同一事業主に引き続き1年以上雇用されていて、子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる(子が1歳に達する日から1年以内に労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかである者を除く)という条件を満たす必要があります。
・就業規則
常時10人以上の労働者を使用する事業場では必ず就業規則を作成しなければなりません。
また、労働者が10人未満であっても、就業規則を作成することが望まれます。
事業場に就業規則がある場合、契約社員もその適用を受けます。
就業規則は、事業場によって、契約社員用の就業規則が用意されているところと、用意されていないところがあります。
用意の有無や規定の中身によって、契約社員用の就業規則の適用を受けるケースと、正社員用就業規則が全部または一分準用されるケースがあります。
|
|
|
|