|
|
ワーク・ライフ・バランス
アメリカの労務管理の一つで、仕事と私生活との両立を意味します。
これまでの、仕事オンリーや、家庭オンリーという考えは、今の時代の価値観と合わなくなって、両方充実させたい人が増えてきました。
企業等も、従業員の仕事も生活も両立させながら、社員の持っている能力をフルに発揮させるために取り組む必要があります。
企業等はまず従業員に、仕事をしている間、仕事に集中できる環境を提供します。
従業員の側では、個人的な私生活や健康などに不安があると、仕事に集中できません。
人生は仕事と仕事以外の側面で成り立っていますので、両方のバランスを取ることが必要です。
----------
この考え方のきっかけは、1990年代前半の不況期における大リストラです。
この頃、従業員は、自分の身は自分で守るしかないと考えるようになりました。
企業から必要とされる人材になるためにはスキルアップが必要であり、そのためには自分で勉強しなければならないと従業員の心が変わってきました。
そのため早く帰宅して勉強したり、家族との関係を密にすることで満足度を高め、さらにそれによって仕事の生産性が上がれば、結果的に会社にメリットをもたらすことができます。
----------
1980年代 ワーク・ファミリー・バランス
共働き家族やシングルマザーに重点が置かれました。
1990年代 ワーク・ライフ・バランス
全従業員を対象にするようになりました。
----------
日本では、ワーク・ライフ・バランスの考えが浸透する前に、男女均等推進とファミリー・フレンドリーの考え方が提唱されました。
男女均等推進は、1985年の男女雇用機会均等法の成立がきっかけとなりました。
ファミリー・フレンドリー=両立支援は、1991年の育児休業法の成立がきっかけとなりました。
ワーク・ライフ・バランスは、2005年の次世代育成対策支援法(2015年3月31日までの時限立法)の成立がきっかけとなりした。
----------
●行動計画策定指針
(平成15年8月22日)
(国家公安委員会、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省告示第1号)
指針では、次世代育成支援対策推進法で策定することとされている行動計画について、一般事業主が策定する「一般事業主行動計画」のほか、地方公共団体が策定する「市町村行動計画」と「都道府県行動計画」、国及び地方公共団体の機関が策定する「特定事業主行動計画」についてもあわせて記述されています。
▼基本理念
次世代育成支援対策は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭その他の場において、子育ての意義についての理解が深められ、かつ、子育てに伴う喜びが実感されるように配慮して行われなければならない。
▼行動計画の策定の目的
地方公共団体及び事業主(国及び地方公共団体の機関等を含む。)は、行動計画策定指針に即して次世代育成支援対策のための10年間の集中的・計画的な取組を推進するため、それぞれ行動計画を策定し、次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標、実施しようとする次世代育成支援対策の内容及びその実施時期等を定めるものとする。
▼次世代育成支援対策の推進に当たっての関係者の連携
次世代育成支援対策は、市町村内及び都道府県内の関係部局間の連携を始め、市町村及び都道府県の間並びに市町村間の連携等を図り、総合的な体制の下に推進されることが望ましい。このため、行動計画には、それぞれの次世代育成支援対策の推進に当たっての関係者の連携の在り方について定めることが必要である。
・市町村内及び都道府県内の関係部局間の連携
市町村及び都道府県は、次世代育成支援対策の総合的かつ効果的な推進を図るため、全庁的な体制の下に、行動計画の策定やこれに基づく措置の実施を図ることが必要である。
・市町村及び都道府県の間並びに市町村間の連携
法第10条第1項では、都道府県は、市町村に対し、市町村行動計画の策定上の技術的事項について必要な助言その他の援助の実施に努めることとされており、小規模市町村への配慮を含め、適切に対応することが必要である。
また、市町村及び都道府県は、行動計画の策定に当たって、相互にその整合性が図られるよう、互いに密接な連携を図ることが必要である。
さらに、市町村行動計画の策定に当たっては、必要に応じて広域的なサービス提供体制の整備等、近隣市町村間での連携・協力の在り方について検討することが必要である。
・国、地方公共団体等と一般事業主との連携
法第5条では、事業主は、国又は地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならないこととされている。
また、一般事業主は、一般事業主行動計画の策定やこれに基づく措置の実施に関する援助業務を行う次世代育成支援対策推進センターによる相談その他の援助を活用することなどにより、適切な一般事業主行動計画の策定やこれに基づく措置の実施に努めることが望ましい。
さらに、地方公共団体及びその区域内に事業所を有する一般事業主は、行動計画の策定に当たって、地域における次世代育成支援対策が効果的に実施されるよう、必要に応じて情報交換を行う等密接な連携を図ることが必要である。
▼次世代育成支援対策地域協議会の活用
法第21条第1項では、地方公共団体、事業主、住民その他の次世代育成支援対策の推進を図るための活動を行う者は、地域における次世代育成支援対策の推進に関し必要となるべき措置について協議するため、次世代育成支援対策地域協議会(以下「地域協議会」という。)を組織することができるとされており、地方公共団体及び一般事業主は、行動計画の策定やこれに基づく措置の実施に当たっては、必要に応じて、地域協議会を十分に活用するとともに、密接な連携を図ることが望ましい。
以下省略
●一般事業主行動計画
少子化の急速な進行は、我が国の経済社会に深刻な影響を与えます。そのため、政府・地方公共団体・企業等は一体となって対策を進めていかねばなりません。
平成15年7月に成立・公布された「次世代育成支援対策推進法」は、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境の整備を行う「次世代育成支援対策」を進めるため、国や地方公共団体による取組だけでなく、301人以上の労働者を雇用する事業主は、平成16年度末までに「一般事業主行動計画」(以下「行動計画」といいます。)を策定し、平成17年4月1日以降、速やかに届け出なければならないとしました。
雇用する労働者が300人以下の事業主には、同様の努力義務があるとしています。
▼行動計画
(1)計画期間、(2)目標、(3)目標を達成するための対策とその実施時期の3つを定めます。
・仕事と子育てに関する雇用環境の整備状況や労働者のニーズを把握します。
・計画期間を設定します。
・行動計画に掲げる目標を設定します。
・目標を達成するための対策を立てます。
・行動計画策定届を都道府県労働局へ提出します。
・行動計画を実施します。
・次期行動計画を策定します。
▼内容
・子育てを行う労働者等の職業生活と家庭生活との両立を支援するための雇用環境の整備
妊娠中及び出産後における配慮
子どもの出生時における父親の休暇取得の促進
育児・介護休業法の規定を上回る、より利用しやすい育児休業制度の実施
育児休業期間中の代替要員の確保や育児休業中の労働者の職業能力の開発・向上等、育児休業を取得しやすく、職場復帰しやすい環境の整備
短時間勤務制度やフレックスタイム制度の実施等、労働者が子育てのための時間を確保できるようにするための措置の実施
事業所内託児施設の設置及び運営
子育てサービスの費用の援助の実施
より利用しやすい子どもの看護のための休暇の措置の実施
育児等退職者についての再雇用特別措置等の実施等
・働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備
ノー残業デー等の導入・拡充や企業内の意識啓発等による所定外労働の削減
年次有給休暇の取得の促進
短時間勤務や隔日勤務等の多様就業型ワークシェアリングの実施
テレワーク(ITを利用した場所・時間にとらわれない働き方)の導入
職場優先の意識や固定的な性別役割分担意識の是正のための意識啓発
・その他の次世代育成支援対策
託児室・授乳コーナーの設置等による子育てバリアフリーの推進
地域における子育て支援活動への労働者の積極的な参加の支援等、子ども・子育てに関する地域貢献活動の実施
子どもが保護者の働いているところを実際に見ることができる「子ども参観日」の実施
企業内における家庭教育に関する学習機会の提供
インターンシップやトライアル雇用等を通じた若年者の安定就労・自立した生活の推進
▼認定
事業主は、雇用環境の整備について適切な行動計画を策定したこと、その計画に定めた目標を達成したことなどの一定の要件を満たす場合に、申請を行うことにより都道府県労働局長の認定を受けることができます。
認定を受けた事業主は、その旨を示す表示(マーク)を、広告、商品、求人広告などにつけることができます。
企業のイメージUPへつながります。
●世代育成支援対策推進センター
次世代育成支援対策推進センターは、次世代育成支援対策推進法によって事業主が策定することとされている「一般事業主行動計画」の策定・実施を支援するための、事業主の団体や連合団体です。
センターは、厚生労働大臣が指定します。
地域別や業種別の団体等、一定の要件を満たすものを、団体の申請に基づき指定することとされています。
行動計画の策定・実施に関し、業務体制や要員管理の見直しなど、仕事と子育てを両立しやすい雇用環境を整備するためのノウハウのない事業主に対して、相談援助などを行います。
・行動計画の策定・実施についての好事例の収集、地域別・業種別のモデル計画の策定
・行動計画の策定・実施に関する講習会の開催
・仕事と子育てを両立しやすくするための業務体制や職場環境づくりなど、雇用環境の整備についての相談
・事業主の取組を促進するための広報・啓発
など。
センターの指定を受けるには、定款など団体の目的・組織などがわかる書類や資産状況がわかる書類などのほか、センター業務の実施に関する基本的な計画を提出して申請します。
業務の実施に関する計画が業務の適正かつ確実な実施ために適切であることなど、一定の基準を満たしている場合に指定を受けることができます。
いままで次世代育成支援対策推進センターとして指定された団体は、各地の商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会、経営者協会などです(全部ではありませんので、指定を受けているか否かは、各団体にお問合せください)。
----------
ワーク・ライフ・バランスの考え方は、「労働安全衛生法等の一部を改正する法律」(平成17年法律第108号、平成17年11月2日公布)において、「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」を改正し成立した「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」(平成18年4月1日施行)による、労働時間等設定改善指針の見直しにも影響しました。
平成20年厚生労働省告示第108号、「労働時間等見直しガイドライン」が公表され平成20年4月1日から施行されました。
●労働時間等見直しガイドライン
仕事と生活の調和については、平成19年12月にワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議において、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」および「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が策定され、労使を始め国民が積極的に取り組むことや国や地方公共団体が支援することなどにより、社会全体の運動として広げることとしています。
厚生労働省としては、これを受け、労働時間等の見直しに関する取組を一層推進することとし、今般、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第4条第1項の規定に基づく「労働時間等設定改善指針」を改正することとしました。
本指針は、事業主及びその団体が、労働時間等の設定の改善について適切に対処するために必要な事項について定めるものです。
今般の改正を機に、本指針について「労働時間等見直しガイドライン」と通称をつけることとし、本省においては労働基準局長名による業界団体に対する要請を行うとともに、各都道府県労働局及び労働基準監督署においても、あらゆる機会を通じて改めて周知・啓発を行い、仕事と生活の調和の実現を目指して労働時間等の見直しを推進していくこととしています。
----------
厚生労働省告示第197号
平成18年3月31日
労働時間等設定改善指針
我が国は、経済的地位においては世界有数の水準に達したが、その経済的地位にふさわしい豊かでゆとりある労働者生活の実現については、多くの課題を抱えてきた。このため、昭和62年には労働基準法(昭和22年法律第49号)が改正され、本則に週40時間労働制を明記することにより、週40時間労働制に向けて法定労働時間を段階的に短縮していくことが明確にされた。また、昭和63年に閣議決定された経済運営5ヵ年計画「世界とともに生きる日本」以降、累次の経済計画において、労働時間短縮の目標として年間総実労働時間1,800時間が掲げられてきた。さらに、平成4年9月には、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(平成4年法律第90号。以下「旧時短促進法」という。)が施行され、同法に基づく労使の自主的取組を促進することにより、労働時間の短縮が推進されてきた。
このような労使の真しな取組により労働時間の短縮は着実に進み、旧時短促進法が施行される直前の平成3年度には2,008時間であった年間総実労働時間は、平成16年度には1,834時間となり、所期の目標をおおむね達成することができた。
しかしながら、その内実を見ると、全労働者平均の労働時間が短縮した原因は、主に、労働時間が短い者の割合が増加した結果であり、いわゆる正社員等については、依然として労働時間は短縮していない。一方、労働時間が長い者と短い者の割合が共に増加し、いわゆる「労働時間分布の長短二極化」が進展している。また、年次有給休暇の取得率は低下傾向にある。さらに、長い労働時間等の業務に起因した脳・心臓疾患に係る労災認定件数は高水準で推移している。そして、急速な少子高齢化、労働者の意識や抱える事情の多様化等が進んでいる。
このような情勢の中、今後とも労働時間の短縮が重要であることは言うまでもないが、全労働者を平均しての年間総実労働時間1,800時間という目標を用いることは時宜に合わなくなってきた。むしろ、経済社会を持続可能なものとしていくためには、その担い手である労働者が、心身の健康を保持できることはもとより、職業生活の各段階において、家庭生活、自発的な職業能力開発、地域活動等に必要とされる時間と労働時間を柔軟に組み合わせ、心身共に充実した状態で意欲と能力を十分に発揮できる環境を整備していくことが必要となっている。
このような趣旨の下、この指針は、旧時短促進法の改正により平成18年4月1日より施行される労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成4年法律第90号。以下「法」という。)第4条第1項の規定に基づき、事業主及びその団体(以下「事業主等」という。)が、労働時間等の設定の改善について適切に対処するために必要な事項について定めるものである。
労働時間等の設定の改善に関する基本的考え方
(1)労働時間等の設定の改善を図る趣旨
労働時間、休日数、年次有給休暇を与える時季その他の労働時間等に関する事項について労働者の健康と生活に配慮するとともに多様な働き方に対応したものへ改善することが重要である。このことは、労働者にとって好ましいのみならず企業活動の担い手である労働者が心身共に充実した状態で意欲と能力を十分に発揮できるようにし、企業経営の効率化と活性化、国民経済の健全な発展にも資するものである。
(2)労働時間の短縮の推進
労働者が健康で充実した生活を送るための基盤の一つとして、生活時間の十分な確保が重要であり、事業主が労働時間等の設定の改善を図るに当たっては、労働時間の短縮が欠かせない。このため、事業主は、今後とも、週40時間労働制の導入、年次有給休暇の取得促進及び所定外労働の削減に努めることが重要である。
(3)多様な事情への配慮と自主的な取組の推進
事業主が労働時間等の設定の改善を図るに当たっては、個々の労使の話合いが十分に行われる体制の整備が重要である。そして、労働者の健康と生活に係る多様な事情を踏まえつつ、個々の労使による自主的な取組を進めていくことが基本となる。
(4)他の法令、計画等との連携
この指針は、労働時間等の設定に係る他の法令、計画、指針等と矛盾するものではなく、それらを前提に、事業主等が留意すべき事項について定めるものである。したがって、事業主が労働時間等の設定の改善を図るに当たっては、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)第7条第1項に規定する行動計画策定指針(平成15年国家公安委員会・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号)、「少子化社会対策大綱」(平成16年6月4日閣議決定)及び「少子化社会対策大綱に基づく重点施策の具体的実施計画について」(平成16年12月24日少子化社会対策会議決定)等を踏まえた少子化対策等にも取り組むことが必要である。
事業主等が講ずべき労働時間等の設定の改善のための措置
事業主等は、労働時間等の設定の改善を図るに当たり、1の基本的考え方を踏まえつつ、労働者と十分に話し合い、以下に掲げる措置その他の労働者の健康と生活に配慮した措置を講ずるよう努めなければならない。
(1)事業主が講ずべき一般的な措置
イ 実施体制の整備
(イ)実態の把握
事業主が労働時間等の設定の改善を図るためには、まず、自己の雇用する労働者の労働時間等の実態について適正に把握していることが前提となる。したがって、事業主は、その雇用する労働者の始業・終業時刻、年次有給休暇の取得、時間当たりの業務負担の度合い等労働時間等の実態を適正に把握すること。
(ロ)労使間の話合いの機会の整備
労働時間等の設定の改善は、それぞれの労働者の抱える事情や企業経営の実態を踏まえ、企業内における労使の自主的な話合いに基づいて行われるべきものである。また、それぞれの企業の実情に通じた労使自身の主体的な関与がなければ、適切な労働時間等の設定の改善はなしえない。したがって、労働時間等の設定の改善に関して、企業内において労使間の十分な話合いが行われることが必要である。
こうした趣旨に基づき、法において企業内の労働時間等の設定の改善に係る実施体制の整備について事業主の努力義務が定められていることを踏まえ、事業主は、労働時間等設定改善委員会をはじめとする労使間の話合いの機会を整備すること。
なお、一定の要件を満たすことを条件に、衛生委員会を労働時間等設定改善委員会とみなすことができるので、その活用を図ること。
また、このような労使間の話合いの機会を設けるに当たっては、委員会等の構成員について、労働者の抱える多様事情が反映されるよう、性別、年齢、家族構成等並びに育児・介護、自発的な職業能力開発等の経験及び知見に配慮することが望ましい。
(ハ)個別の要望・苦情の処理
労働時間等の設定の改善を図るためには、事業主が、労働者各人からの労働時間等に係る個別の要望・苦情に誠意をもって耳を傾け、善後策を講じることが必要である。 このため、事業主は、このような要望・苦情に応じるための担当者の配置や処理制度の導入を図ること。
(ニ)業務の見直し
労働時間等の設定の改善を図るに当たっては、業務内容や業務体制の見直し、生産性の向上等により、より効率的に業務を処理できるようにすることが必要である。このため、事業主は、必要に応じて、業務計画や要員計画の策定等により業務の見直しを図ること。
(ホ)労働時間等の設定の改善に係る措置に関する計画
労働時間等の設定の改善をより確実にするには、計画的な取組が望ましい。このため、事業主は、具体的な措置の内容、導入・実施の予定等に係る計画を作成し、これに基づいて、労働時間等の設定の改善を推進すること。この場合、労働時間等の設定の改善に係る措置についての具体的な目標を、それぞれの事情を踏まえつつ、自主的に設定することが望ましい。また、策定された計画については、随時、その効果を検証し、必要に応じて見直しを行うこと。
ロ 労働者の抱える多様な事情及び業務の態様に対応した労働時間等の設定
業務の閑散期においても繁忙期と同様の労働時間等の設定を行うことは、事業主にとっても、労働者にとっても得るものが少ない。このため、時季や日に応じて業務量に変動がある事業場については、変形労働時間制、フレックスタイム制を活用すること。特に、年間を通しての業務の繁閑が見通せる業務については、1年単位の変形労働時間制を活用して、労働時間の効率的な配分を行うこと。また、フレックスタイム制の活用に当たっては、労働者各人が抱える多様な事情を踏まえ、生活時間の確保にも十分な配慮をすること。
また、業務の進め方について労働者の創造性や主体性が必要な業務については、労働時間等の設定についても、労働者の裁量にゆだねることが業務の効率的な遂行につながり、労働者の生活時間の確保にも資する場合がある。このため、事業主は、そのような業務に携わる労働者については、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制の活用も検討すること。裁量労働制を活用する場合には、労働者が抱える多様な事情に配慮するとともに、自己の雇用する労働者の労働実態を適切に把握し、必要に応じて、年次有給休暇の取得奨励や労働者の健康に十分配慮した措置を講ずること。
ハ 年次有給休暇を取得しやすい環境の整備
労働者が心身の疲労を回復させ、健康で充実した生活を送るためには、原則として労働者がその取得時季を自由に設定できる年次有給休暇の取得が必要不可欠である。また、育児・介護等に必要な時間の確保にも資すると考えられる。特に、労働者が仕事を重視した生活設計をすることにより、労働が長時間に及ぶ場合においては、年次有給休暇の取得が健康の保持のために重要である。このため、事業主は、年次有給休暇の完全消化を目指して、取得の呼びかけ等による取得しやすい雰囲気づくりや、労使の年次有給休暇に対する意識の改革を図ること。
また、計画的な年次有給休暇の取得は、年次有給休暇取得の確実性が高まり、労働者にとっては予定通りの活動を行いやすく、事業主にとっては計画的な業務運営を可能にする等効用が高い。したがって、年次有給休暇の取得促進を図るためには、特に、計画的な年次有給休暇取得の一層の推進を図ることが重要である。計画的な年次有給休暇の取得には、労使間で1年間の仕事の繁閑や段取りを話し合うことが必要であり、労使双方にとって合理的な仕事の進め方を理解し合うためにも有益な手段であると考えられる。事業主は、年次有給休暇の取得促進を図るため、業務量を正確に把握し、個人別年次有給休暇取得計画表の作成、年次有給休暇の取得促進を目指した業務体制の整備、取得状況の把握を行うこと。また、労働基準法第39条第5項に基づく年次有給休暇の計画的付与制度の活用を図ること。
さらに、週休日と年次有給休暇とを組み合わせた2週間程度の連続した長期休暇の取得促進を図ること。その際、取得時期については、休暇中の渋滞、混雑を緩和するため分散化を図り、より寛げる休暇となるよう配慮すること。
なお、半日単位での年次有給休暇の利用について、連続休暇取得及び1日単位の取得の阻害とならない範囲で、労働者の希望によるものであることを前提としつつ、年次有給休暇取得促進の観点からその導入を検討すること。
ニ 所定外労働の削減
所定外労働は臨時、緊急の時にのみ行うものである。事業主は、その雇用する労働者の健康で充実した生活のため、労働時間に関する意識の改革、「ノー残業デー」、「ノー残業ウィーク」の導入・拡充等により、今後とも所定外労働の削減を図ること。 また、所定外労働を行わせた場合には、代休の付与等により総実労働時間の短縮を図ること。労働者が私生活を重視した生活設計をし、所定外労働を望まない場合は、所定外労働の削減について一層の配慮をすること。
なお、労働時間を延長する場合であっても、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成10年労働省告示第154号)を遵守すること。また、同基準第3条ただし書に規定する特別条項付き協定を結ぶ場合は、同基準の例外が認められる特別の事情とは臨時的なものに限ることを、その協定において明確にすること。
ホ 労働時間の管理の適正化
近年、業務の困難度の高さとあいまって、時間的に過密な業務の運用により、労働者に疲労の蓄積や作業の誤りが生じ、健康障害や重大な事故につながることが懸念されている。また、時間的に過密な業務の運用は、生産性の向上を阻害しかねない。このため、事業主は、時間的に過密とならない業務の運用を図ること。
へ ワークシェアリング、在宅勤務等の活用
事業主は、多様な働き方の選択肢を拡大するワークシェアリングの導入に努めること。また、通勤負担の軽減となる在宅勤務等の活用を図ること。
ト 国の支援の活用
事業主が以上の取組を進めるに当たっては、事業主の労働時間等の設定の改善を促進するため国が行う支援制度を積極的に活用すること。
また、労働時間等の設定の改善に係る措置に関する計画については、同業他社と歩調をそろえてこのような計画を作成し、実施することが効果的と考えられる。このため、同一の業種に属する複数の事業主が共同して労働時間等設定改善実施計画を作成する場合には、法により国の支援が行われるので、そうした支援制度を積極的に活用すること。
(2)特に配慮を必要とする労働者について事業主が講ずべき措置
労働者各人の健康と生活に配慮するには、その前提として、事業主が、2(1)イ(イ)に記した労働時間等の実態を把握することに加え、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)、雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針(平成16年厚生労働省告示第259号)等を遵守しつつ、労働者各人について配慮すべき事情を、必要に応じて、把握することが望ましい。なお、このような労働者各人の事情を理由として、その労働者に対して不利益な取扱いをしないこと。
イ 特に健康の保持に努める必要があると認められる労働者
事業主は、特に健康の保持に努める必要があると認められる労働者についても、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)に基づいて、健康診断の結果を踏まえた医師等の意見又は面接指導の結果を踏まえた医師の意見を勘案し、必要があると認めるときは、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少その他の労働時間等に係る措置も適切に講じること。また、病気休暇から復帰する労働者については、短時間勤務から始め、徐々に通常の勤務時間に戻すこと等円滑な職場復帰を支援するような労働時間等の設定を行うこと。
そして、労働者の健康を守る予防策として、疲労を蓄積させない又は疲労を軽減させるような労働時間等の設定を行うこと。特に、所定外労働の削減に努めること。所定外労働が多い労働者については、代休やまとまった休暇の付与等を行い、疲労の回復を図らせること。恒常的に所定外労働が多い部署については、業務の見直しを行う他、配置転換を行う等により、労働者各人ごとの労働時間の削減を行うこと。
ロ 子の養育又は家族の介護を行う労働者
事業主は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)等を遵守し、育児休業、介護休業、子の看護休暇、時間外労働の制限、深夜業の制限、勤務時間の短縮等の措置等(短時間勤務の制度、始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ、所定外労働をさせない制度等)の労働時間等の設定の改善を行うとともに、その内容を労働者に積極的に周知する等制度を利用しやすい環境の整備を図ること。
また、行動計画策定指針六の1に掲げられた事項にも留意し、子どもの出生時における父親の休暇制度の整備、より利用しやすい育児休業制度の実施(法定の期間、回数等を上回る措置を実施すること、休業期間中の経済的援助を行うこと等)等にも努めること。
さらに、年次有給休暇の取得促進、所定外労働の削減等により、子の養育又は家族の介護に必要な時間の確保を図ること。
これらの子の養育又は家族の介護を行う労働者に配慮した労働時間等の設定の改善に当たっては、各企業において労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするための雇用環境の整備に関する取組の状況や課題を把握し、各企業の実情に応じ、必要な対策を実施していくことが重要であるが、その際、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長が定めた「両立指標に関する指針」を活用することも効果的である。
ハ 妊娠中及び出産後の女性労働者
事業主は、労働基準法を遵守し、産前産後の女性労働者に休業を取得させるとともに、妊娠中及び産後1年を経過しない女性が請求した場合においては、時間外労働、休日労働、深夜業等をさせないこと。
また、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)等を遵守し、その雇用する女性労働者が、母子保健法(昭和40年法律第141号)の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにするとともに、当該保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするために勤務時間の短縮、休業等の措置を講じること。
ニ 単身赴任者
単身赴任者については、心身の健康保持、家族の絆の維持、子の健全な育成等のため、休日は家族の元に戻って、共に過ごすことが極めて重要である。このため、事業主は、休日の前日の終業時刻の繰り上げ及び休日の翌日の始業時刻の繰り下げ等を行うこと。また、労働者の希望を前提とした休日前後の年次有給休暇の半日単位の付与について検討すること。さらに、家族の誕生日、記念日等家族にとって特別な日については、休暇を付与すること。
ホ 自発的な職業能力開発を図る労働者
企業による労働者の職業能力開発は今後とも重要であるが、サービス経済化、知識社会化が進むとともに、労働者の職業生活が長期化する中で、大学、大学院等への通学等労働者が主体的に行う職業能力開発を支援することの重要性も増してきている。このため、事業主は、有給教育訓練休暇、長期教育訓練休暇その他の特別な休暇の付与、始業・終業時刻の変更、時間外労働の制限等労働者が自発的な職業能力開発を図ることができるような労働時間等の設定を行うこと。
へ 地域活動等を行う労働者
事業主は、地域活動、ボランティア活動等へ参加する労働者に対して、その参加を可能とするよう、特別な休暇の付与、労働者の希望を前提とした年次有給休暇の半日単位の付与等について検討すること。
ト その他特に配慮を必要とする労働者
事業主は、労働者の意見を聞きつつ、その他特に配慮を必要とする労働者がいる場合、その者に係る労働時間等の設定に配慮すること。
(3)事業主の団体が行うべき援助
同一業種、同一地域にある企業の間では、労働時間等の設定についてお互いに影響を及ぼし合うものと見込まれる。ついては、事業主による労働時間等の設定の改善を促進するためには、業種ごと、地域ごとの取組を進めていくことが効果的である。このような取組を進めるに当たっては、業界及び地域の実情に通じた事業主の団体の関与が欠かせない。このため、事業主の団体は、傘下の事業主に対して、労働時間等の設定の改善に関する、専門家による指導・助言、情報の提供、啓発資料の作成・配布その他の援助を行うこと。
なお、事業主の団体がこのような援助を行うに当たっては、一定の条件を満たす場合、事業主団体に対して国が行う支援制度を利用できるので、積極的に活用すること。
(4)事業主が他の事業主との取引上配慮すべき事項
個々の事業主が労働時間等の設定の改善に関する措置を講じても、親企業からの発注等取引上の都合により、その措置の円滑な実施が阻害されることとなりかねない。このため、事業主は、他の事業主との取引を行うに当たっては、例えば、次のような事項について配慮をすること。
イ 週末発注・週初納入、終業後発注・翌朝納入等の短納期発注を抑制し、納期の適正化を図ること。
ロ 発注内容の頻繁な変更を抑制すること。
ハ 発注の平準化、発注内容の明確化その他の発注方法の改善を図ること。
●次世代法
少子化の急速な進行は、我が国の経済社会に深刻な影響を与えます。そのため、政府・地方公共団体・企業等は一体となって対策を進めていかねばなりません。
そこで平成15年7月に成立・公布されたのが、「次世代育成支援対策推進法」です。
この法律は、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境の整備を行う「次世代育成支援対策」を進めるため、国や地方公共団体による取組だけでなく、301人以上の労働者を雇用する事業主は、平成16年度末までに「一般事業主行動計画」を策定し、平成17年4月1日以降、速やかに届け出なければならないとし、雇用する労働者が300人以下の事業主には、同様の努力義務があるとしています。
----------
次世代育成支援対策推進法
(平成15年法律第120号)
第1章 総則
(目的)
第 1条 この法律は、我が国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化にかんがみ、次世代育成支援対策に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業主及び国民の責務を明らかにするとともに、行動計画策定指針並びに地方公共団体及び事業主の行動計画の策定その他の次世代育成支援対策を推進するために必要な事項を定めることにより、次世代育成支援対策を迅速かつ重点的に推進し、もって次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される社会の形成に資することを目的とする。
(定義)
第 2条 この法律において「次世代育成支援対策」とは、次代の社会を担う子どもを育成し、又は育成しようとする家庭に対する支援その他の次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される環境の整備のための国若しくは地方公共団体が講ずる施策又は事業主が行う雇用環境の整備その他の取組をいう。
(基本理念)
第 3条 次世代育成支援対策は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭その他の場において、子育ての意義についての理解が深められ、かつ、子育てに伴う喜びが実感されるように配慮して行われなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第 4条 国及び地方公共団体は、前条の基本理念(次条及び第7条第1項において「基本理念」という。)にのっとり、次世代育成支援対策を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならない。
(事業主の責務)
第 5条 事業主は、基本理念にのっとり、その雇用する労働者に係る多様な労働条件の整備その他の労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇用環境の整備を行うことにより自ら次世代育成支援対策を実施するよう努めるとともに、国又は地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならない。
(国民の責務)
第 6条 国民は、次世代育成支援対策の重要性に対する関心と理解を深めるとともに、国又は地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならない。
第2章 行動計画
第1節 行動計画策定指針
第 7条 主務大臣は、次世代育成支援対策の総合的かつ効果的な推進を図るため、基本理念にのっとり、次条第1項の市町村行動計画及び第9条第1項の都道府県行動計画並びに第12条第1項の一般事業主行動計画及び第19条第1項の特定事業主行動計画(次項において「市町村行動計画等」という。)の策定に関する指針(以下「行動計画策定指針」という。)を定めなければならない。
2 行動計画策定指針においては、次に掲げる事項につき、市町村行動計画等の指針となるべきものを定めるものとする。 一 次世代育成支援対策の実施に関する基本的な事項
二 次世代育成支援対策の内容に関する事項
三 その他次世代育成支援対策の実施に関する重要事項
3 主務大臣は、少子化の動向、子どもを取り巻く環境の変化その他の事情を勘案し、必要があると認めるときは、速やかに行動計画策定指針を変更するものとする。
4 主務大臣は、行動計画策定指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、次条第1項の市町村行動計画及び第9条第1項の都道府県行動計画に係る部分について、総務大臣に協議しなければならない。
5 主務大臣は、行動計画策定指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第2節 市町村行動計画及び都道府県行動計画
(市町村行動計画)
第 8条 市町村は、行動計画策定指針に即して、5年ごとに、当該市町村の事務及び事業に関し、5年を一期として、地域における子育ての支援、母性並びに乳児及び幼児の健康の確保及び増進、子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備、子どもを育成する家庭に適した良質な住宅及び良好な居住環境の確保、職業生活と家庭生活との両立の推進その他の次世代育成支援対策の実施に関する計画(以下「市町村行動計画」という。)を策定するものとする。
2 市町村行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標
二 実施しようとする次世代育成支援対策の内容及びその実施時期
3 市町村は、市町村行動計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
4 市町村は、市町村行動計画を策定し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県に提出しなければならない。
5 市町村は、毎年少なくとも1回、市町村行動計画に基づく措置の実施の状況を公表しなければならない。
6 市町村は、市町村行動計画の策定及び市町村行動計画に基づく措置の実施に関して特に必要があると認めるときは、事業主その他の関係者に対して調査を実施するため必要な協力を求めることができる。
(都道府県行動計画)
第 9条 都道府県は、行動計画策定指針に即して、五年ごとに、当該都道府県の事務及び事業に関し、5年を一期として、地域における子育ての支援、母性並びに乳児及び幼児の健康の確保及び増進、子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備、子どもを育成する家庭に適した良質な住宅及び良好な居住環境の確保、職業生活と家庭生活との両立の推進その他の次世代育成支援対策の実施に関する計画(以下「都道府県行動計画」という。)を策定するものとする。
2 都道府県行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標
二 実施しようとする次世代育成支援対策の内容及びその実施時期
三 次世代育成支援対策を実施する市町村を支援するための措置の内容及びその実施時期
3 都道府県は、都道府県行動計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
4 都道府県は、都道府県行動計画を策定し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、主務大臣に提出しなければならない。
5 都道府県は、毎年少なくとも1回、都道府県行動計画に基づく措置の実施の状況を公表しなければならない。
6 都道府県は、都道府県行動計画の策定及び都道府県行動計画に基づく措置の実施に関して特に必要があると認めるときは、市町村、事業主その他の関係者に対して調査を実施するため必要な協力を求めることができる。
(都道府県の助言等)
第 10条 都道府県は、市町村に対し、市町村行動計画の策定上の技術的事項について必要な助言その他の援助の実施に努めるものとする。
2 主務大臣は、都道府県に対し、都道府県行動計画の策定の手法その他都道府県行動計画の策定上重要な技術的事項について必要な助言その他の援助の実施に努めるものとする。
(市町村及び都道府県に対する国の援助)
第 11条 国は、市町村又は都道府県が、市町村行動計画又は都道府県行動計画に定められた措置を実施しようとするときは、当該措置が円滑に実施されるように必要な助言その他の援助の実施に努めるものとする。
第3節 一般事業主行動計画
(一般事業主行動計画の策定等)
第 12条 国及び地方公共団体以外の事業主(以下「一般事業主」という。)であって、常時雇用する労働者の数が300人を超えるものは、行動計画策定指針に即して、一般事業主行動計画(一般事業主が実施する次世代育成支援対策に関する計画をいう。以下同じ。)を策定し、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
2 一般事業主行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 計画期間
二 次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標
三 実施しようとする次世代育成支援対策の内容及びその実施時期
3 一般事業主であって、常時雇用する労働者の数が300人以下のもの(第16条第1項及び第2項において「中小事業主」という。)は、行動計画策定指針に即して、一般事業主行動計画を策定し、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出るよう努めなければならない。これを変更したときも同様とする。
4 第1項に規定する一般事業主が同項の規定による届出をしない場合には、厚生労働大臣は、当該一般事業主に対し、相当の期間を定めて当該届出をすべきことを勧告することができる。
(基準に適合する一般事業主の認定)
第 13条 厚生労働大臣は、前条第1項又は第3項の規定による届出をした一般事業主からの申請に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主について、雇用環境の整備に関し、行動計画策定指針に照らし適切な一般事業主行動計画を策定したこと、当該一般事業主行動計画を実施し、当該一般事業主行動計画に定めた目標を達成したことその他の厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨の認定を行うことができる。
(表示等)
第 14条 前条の規定による認定を受けた一般事業主(以下「認定一般事業主」という。)は、商品又は役務、その広告又は取引に用いる書類若しくは通信その他の厚生労働省令で定めるもの(次項において「広告等」という。)に厚生労働大臣の定める表示を付することができる。
2 何人も、前項の規定による場合を除くほか、広告等に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。
(認定の取消し)
第 15条 厚生労働大臣は、認定一般事業主が第13条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき、この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき、その他認定一般事業主として適当でなくなったと認めるときは、同条の認定を取り消すことができる。
(委託募集の特例等)
第 16条 承認中小事業主団体の構成員である中小事業主が、当該承認中小事業主団体をして次世代育成支援対策を推進するための措置の実施に関し必要な労働者の募集を行わせようとする場合において、当該承認中小事業主団体が当該募集に従事しようとするときは、職業安定法(昭和22年法律第141号)第36条第1項及び第3項の規定は、当該構成員である中小事業主については、適用しない。
2 この条及び次条において「承認中小事業主団体」とは、事業協同組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合若しくはその連合会であって厚生労働省令で定めるもの又は民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された社団法人で中小事業主を直接又は間接の構成員とするもの(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。以下この項において「事業協同組合等」という。)であって、その構成員である中小事業主に対し、次世代育成支援対策を推進するための人材確保に関する相談及び援助を行うものとして、当該事業協同組合等の申請に基づき厚生労働大臣がその定める基準により適当であると承認したものをいう。
3 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体が前項の相談及び援助を行うものとして適当でなくなったと認めるときは、同項の承認を取り消すことができる。
4 承認中小事業主団体は、当該募集に従事しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、募集時期、募集人員、募集地域その他の労働者の募集に関する事項で厚生労働省令で定めるものを厚生労働大臣に届け出なければならない。
5 職業安定法第37条第2項の規定は前項の規定による届出があった場合について、同法第5条の3第1項及び第3項、第5条の4、第39条、第41条第2項、第48条の3、第48条の4、第50条第1項及び第2項並びに第51条の2の規定は前項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者について、同法第40条の規定は同項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者に対する報酬の供与について、同法第50条第3項及び第4項の規定はこの項において準用する同条第2項に規定する職権を行う場合について準用する。この場合において、同法第37条第2項中「労働者の募集を行おうとする者」とあるのは「次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)第16条第4項の規定による届出をして労働者の募集に従事しようとする者」と、同法第41条第2項中「当該労働者の募集の業務の廃止を命じ、又は期間」とあるのは「期間」と読み替えるものとする。
6 職業安定法第36条第2項及び第42条の2の規定の適用については、同法第36条第2項中「前項の」とあるのは「被用者以外の者をして労働者の募集に従事させようとする者がその被用者以外の者に与えようとする」と、同法第42条の2中「第39条に規定する募集受託者」とあるのは「次世代育成支援対策推進法第16条第4項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者」とする。
7 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体に対し、第2項の相談及び援助の実施状況について報告を求めることができる。
第 17条 公共職業安定所は、前条第4項の規定による届出をして労働者の募集に従事する承認中小事業主団体に対して、雇用情報及び職業に関する調査研究の成果を提供し、かつ、これらに基づき当該募集の内容又は方法について指導することにより、当該募集の効果的かつ適切な実施の促進に努めなければならない。
(一般事業主に対する国の援助)
第 18条 国は、第12条第1項又は第3項の規定により一般事業主行動計画を策定する一般事業主又はこれらの規定による届出をした一般事業主に対して、一般事業主行動計画の策定又は当該一般事業主行動計画に基づく措置が円滑に実施されるように必要な助言、指導その他の援助の実施に努めるものとする。
第4節 特定事業主行動計画
第 19条 国及び地方公共団体の機関、それらの長又はそれらの職員で政令で定めるもの(以下「特定事業主」という。)は、政令で定めるところにより、行動計画策定指針に即して、特定事業主行動計画(特定事業主が実施する次世代育成支援対策に関する計画をいう。以下この条において同じ。)を策定するものとする。
2 特定事業主行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 計画期間
二 次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標
三 実施しようとする次世代育成支援対策の内容及びその実施時期
3 特定事業主は、特定事業主行動計画を策定し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
4 特定事業主は、特定事業主行動計画に基づく措置を実施するとともに、特定事業主行動計画に定められた目標を達成するよう努めなければならない。
第5節 次世代育成支援対策推進センター
第 20条 厚生労働大臣は、一般事業主の団体又はその連合団体(法人でない団体又は連合団体であって代表者の定めがないものを除く。)であって、次項に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認めるものを、その申請により、次世代育成支援対策推進センターとして指定することができる。
2 次世代育成支援対策推進センターは、一般事業主行動計画の策定及び実施に関し、一般事業主その他の関係者に対し、雇用環境の整備に関する相談その他の援助の業務を行うものとする。
3 厚生労働大臣は、次世代育成支援対策推進センターの財産の状況又はその業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、次世代育成支援対策推進センターに対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
4 厚生労働大臣は、次世代育成支援対策推進センターが前項の規定による命令に違反したときは、第1項の指定を取り消すことができる。
5 次世代育成支援対策推進センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、第2項に規定する業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
6 第1項の指定の手続その他次世代育成支援対策推進センターに関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第3章 次世代育成支援対策地域協議会
第 21条 地方公共団体、事業主、住民その他の次世代育成支援対策の推進を図るための活動を行う者は、地域における次世代育成支援対策の推進に関し必要となるべき措置について協議するため、次世代育成支援対策地域協議会(以下「地域協議会」という。)を組織することができる。
2 前項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、地域協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、地域協議会の運営に関し必要な事項は、地域協議会が定める。
第4章 雑則
(主務大臣)
第 22条 第7条第1項及び第3項から第5項までにおける主務大臣は、行動計画策定指針のうち、市町村行動計画及び都道府県行動計画に係る部分並びに一般事業主行動計画に係る部分(雇用環境の整備に関する部分を除く。)については厚生労働大臣、国家公安委員会、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣及び環境大臣とし、その他の部分については厚生労働大臣とする。
2 第9条第4項及び第10条第2項における主務大臣は、厚生労働大臣、国家公安委員会、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣及び環境大臣とする。
(権限の委任)
第 23条 第12条から第16条までに規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
第5章 罰則
第 24条 第16条第5項において準用する職業安定法第41条第2項の規定による業務の停止の命令に違反して、労働者の募集に従事した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第 25条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。 一 第16条第4項の規定による届出をしないで、労働者の募集に従事した者
二 第16条第5項において準用する職業安定法第37条第2項の規定による指示に従わなかった者
三 第16条第5項において準用する職業安定法第39条又は第40条の規定に違反した者
第 26条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
一 第14条第2項の規定に違反した者
二 第16条第5項において準用する職業安定法第50条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第16条第5項において準用する職業安定法第50条第2項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
四 第20条第5項の規定に違反した者
第 27条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第24条、第25条又は前条第1号から第3号までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
第 1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第7条及び第22条第1項の規定は公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から、第8条から第19条まで、第22条第2項、第23条から第25条まで、第26条第1号から第3号まで及び第27条の規定は平成17年4月1日から施行する。
(この法律の失効)
第 2条 この法律は、平成27年3月31日限り、その効力を失う。
2 次世代育成支援対策推進センターの役員又は職員であった者の第20条第2項に規定する業務に関して知り得た秘密については、同条第5項の規定(同項に係る罰則を含む。)は、前項の規定にかかわらず、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。
3 この法律の失効前にした行為に対する罰則の適用については、この法律は、第1項の規定にかかわらず、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。
(検討)
第 3条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
|
|
|
|