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パワーハラスメント
パワーハラスメントは、権力や地位を利用した嫌がらせという意味で用いられる言葉です。
欧米でも、モラル・ハラスメントとして研究されており、英語ではブリー(Bully)という表現が一般的です。
会社などで職権などの権力差=パワーを背景にし、本来の業務の範疇を超えて、継続的に、人格と尊厳を傷つける言動を行い、就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与える行為です。
一般的には、上司などが部下に対して、あるいは正規雇用者が非正規雇用者に対して、その地位と職権を利用して嫌がらせが行われます。
IT知識などの専門性を利用すれば、部下から上司へ、あるいは同僚から同僚へ、年上の後輩から年下の先輩へ、年上の同僚から年下の同僚へも起こりえます。
言葉や態度による暴力を振るったり、できもしない執拗な要求で精神的に苦痛を与えたりします。
精神的苦痛を与えることが目的ですので、指導育成や業務上の命令などに隠れて表面化しにくいものです。
現状では、被害に遭っている本人もパワーハラスメントだと認識していなかったり、加害者にも自覚が無いケースがことが多いようです。
受け手にとって嫌がらせであると判断されれば問題として表面化する可能性もありますが、そうでない場合には、被害者がうつ病、PTSDといった精神疾患を発症したり、退職を余儀なくされてしまう場合もあります。
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パワハラ自殺労災初認定事件(東京地裁判平成19.10.15)
製薬会社日研化学(現・興和創薬)の静岡営業所に勤務していた当時35歳の男性が自殺したのは、上司の暴言などパワーハラスメントが原因だとして、男性の妻が労災を認めなかった静岡労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、上司の暴言が自殺の原因になったことを認め、国に処分の取り消しを命じた。パワハラを自殺の原因として労災を認定した判決は全国で初めて。
男性は平成9年から、静岡営業所で薬剤の営業を担当。営業成績が良くなかったことから、14年に同営業所に赴任した50代の係長に「存在が目障り」「給料泥棒」「背中一面にフケがベターっと付いてる。病気と違うか」などとパワハラを受けた。男性は14年12月ごろから鬱病の症状を見せ始め、15年3月に自殺した。男性の妻は16年、同労基署に労災を申請したが認められなかった。
判決では、上司のパワハラを「男性の人格、キャリアを否定する内容で過度に厳しい」と指摘。その上で「男性の心理的負荷は、通常の上司とのトラブルから想定されるものよりも重い」と判断し、「男性は仕事のために鬱病になり自殺した」と結論付けた。
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なお、労災保険への認定の申請は、パワハラの被害にあって退職を余儀なくされ鬱病になったような場合は、退職後であっても可能です。
この場合、業務上の疾病という労災認定の判断基準は、職場内でのパワハラの事実と、疾病との因果関係の有無にあります。
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