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出向、転勤、転籍、派遣、業務委託
出向、転勤、転籍、派遣、業務委託は異なります。
・出向は出向元と出向先の両方で二重の労働関係が成立するもので、労働者にとっては出向元との間の労働契約と出向先との間の労働契約の二重の労働契約が成立することになります。
・転勤は単なる勤務場所の変更で、労働契約の主体や従業員に対する指揮命令権者には変更がありません。
・転籍は今までの会社との雇用関係を終了して、新たに別の会社と雇用関係を結ぶ人事異動です。
・派遣は派遣元との間にのみ雇用関係が存在し、派遣先との間には指揮命令を受けるだけの使用関係のみが生ずることになります。
・業務委託は仕事の完成を請け負う請負型と法律行為その他の事務を受託する委任型があり、雇用関係および指揮命令関係は生じません。
●出向
出向とは、従業員が自己の雇用先の企業に在籍のまま、他の企業の事業所において相当長期間にわたって当該企業の業務に従事することです。
出向には、在籍出向、移籍含み出向、移籍出向などがあります。
▼在籍出向 出向元との労働関係はそのままで、出向先の会社の指揮命令下に労務を提供するものです。
・出張派遣型
他社の組織に組み入れられて就労するものの短期的な応援、派遣勤務等で出張、派遣命令形式によるもの
・兼務型
出向名義の発令はなされているが出向元の部・課長等の役職を解職されず、その業務も事実上行い、出向先の子会社などの取締役としての職務を行うもの
・人事異動型
出向元の人事異動により出向先に異動し、出向先の指揮命令に従うもの
・休職型
出向元の会社で休職発令し、その期間は出向先の従業員として出向先の人事権および労務指揮に従うもの
▼移籍含み出向
・セレクション移籍型
在籍出向であるが、出向先が移籍を希望し申し入れた場合には転籍となるもの
・試用移籍型
移籍を目的とするが出向先に慣れるまでは出向扱いとし、一定期間内に転籍となるが、期間終了時に出向先が転籍者として不適格と認めた場合には在籍出向になるか出向を解消し復帰するもの
・始期付き移籍型
一定の期間は在籍出向とし、所定期間経過後自動的に出向先に転籍となるもの
▼移籍出向
出向元との労働関係は終了し、出向先の会社との間に雇用契約を結ぶものです。
・人事交流型
籍は移転するが後日出向元へ復帰することが予定されているもの
・潜在的退職型
出向元を退職し出向先に雇用されるが、転籍先の労働条件が下回る場合には出向元の定年相当時までの所定の保障をするもの
・完全退職型
出向元を退職し、出向先雇用者となり、出向元との関係はなくなるもの
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出向に関して直接定めた法律はありません。
出向は、労働者が自ら希望して採用された会社とは全く別の会社の指揮命令下で労務を提供するものですので、労働者の個別の同意や就業規則上の根拠もなしに、使用者の命令一つで第三者となる別の会社に赴き、そこで労務を提供するという効力を生じさせることはできないとされています。
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民法第625条;
「 使用者は、労働者の承諾を得なければ、その権利を第三者に譲り渡すことができない。
・・・・・」
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出向を命じるには、労働契約、就業規則や労働協約などの根拠があり、またその配転命令権の範囲内であることが必要です。
出向命令権の範囲内であっても、権利濫用にあたる場合は無効となり、業務上の必要性に比べ労働者に著しい不利益があると権利濫用になります。
就業規則ないしその一部である出向規程又は労働協約等で、あらかじめ、会社が従業員に対して出向を命じることができること、出向を命じられた従業員は出向する義務があること、その他出向条件等が定められているときは、従業員はそれらの規則・規程を前提にして入社し、あるいは労働組合に加入している以上、就業規則、出向規程、労働協約等に定める出向等に包括的に同意しているとみることができる場合があります。
しかし、移籍出向は出向元との労働関係は一旦消滅するため、出向命令は出向先への就労を条件とする合意解約の申し入れとみるべきで、その都度、本人の同意がなければ出向させることはできません。
この場合は、会社が従業員に対して別の会社へ出向することを求める際、当該従業員が、会社が提示した出向先・出向条件等を含めてその出向に個別的に同意することが必要です。
したがって、本人が出向を拒否すれば出向を強制することはできず、懲戒処分もできないことになります。
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