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雇用・人事・労務・その他・業務

セクシャルハラスメント

 職場などで、相手の意志に反して不快や不安な状態に追いこむ性的なことばや行為を指します。

 セクシャル=Sexualは性的、ハラスメント=harassmentは、嫌がらせです。

 略してセクハラと言われることもあります。

・対価型セクハラ

  職場や学校などにおける立場・同調圧力・階級の上下関係を利用し、下位にある者に対する性的な言動や行為を行うことなど。

 例;
 酒席での酌の強要。
 職場で昇進を人質に取った性行為の強要
 学校で単位を人質に取った性行為の強要
 取引先との売買契約を人質に取った性行為の強要
 職場で昇進を人質に取った愛人契約の強要
 学校で単位を人質に取った愛人契約の強要
 取引先との売買契約を人質に取った愛人契約の強要

・環境型セクハラ

 職場や学校などで、ヌードカレンダー、水着ポスターなど、人によっては不快感を起こすものの掲示、性的な冗談、容姿、身体などについての会話など。

 例;
 恋愛経験について執拗に尋ねること
 慰安旅行での旅館・ホテルなどでの女性への浴衣などの着用の強要。酌の強要
 女性の下の名前を「ちゃん」付けで呼ぶ
 下位にある女性を「さん」付けで呼びながら男性を「君」付けで呼ぶこともセクハラと考えられる場合もある
 性的魅力をアピールするような服装やふるまいを要求すること
 頻繁に、女性に対して結婚、出産のことを尋ねること
 男性に対して「男のくせに根性がない」と言う
 男性をソープランド等の風俗店にむりやり誘う
 男性への、裸踊りの強要
 女性上司から男性部下への誘い

●経緯

 1970年代初めにアメリカの女性雑誌『Ms』の編集主幹でフェミニストのグロリア・スタイネムらが作り出した造語です。

 アメリカでは1986年に合衆国最高裁判所がVinson 対 Meritor Savings Bankの裁判で初めて、セクハラ行為が人権法に違反する性差別であると認められました。

 日本では、1980年代半ば以降にアメリカから日本に輸入されました。

 1986年に起きた西船橋駅ホーム転落死事件で被告の女性を支援する女性団体がセクハラという言葉を使い出しました。

 1989年に福岡県の出版社に勤務していた女性が上司を相手取りセクハラを理由とした日本初の民事裁判を起こしました。

 この事件は、1992年に女性が全面勝訴し、今日のセクハラ防止ガイドラインが生まれる起爆剤になりました。

 1994年に問題化した就職氷河期の新卒女子へのセクハラ面接

 1996年に巨額の訴訟で話題になった米国三菱自動車セクハラ事件

 1997年4月からAIU保険会社日本支社が発売開始したセクハラ保険 など、1990年代を通じて日本語として浸透、定着しました。

●対応
  
 1997年に、男女雇用機会均等法の改正で、性的嫌がらせへの配慮を盛り込まれ、2007年の改正で範囲を拡大、男性への性的嫌がらせも配慮の対象とされました。

 一次被害は、強要です。

 二次被害は、いろいろな局面があります。

 中傷、周囲の同調、被害者のPTSD、被害者の精神障害、被害者の生活の破綻、被害者の人間不信による人間関係の破綻など。

 これらは、ケースバイケースで、労働事件(刑事事件)と民事事件(損害賠償請求訴訟)に相当します。

 ほとんどの場合、上の立場の者が下の立場の者にセクシャルハラスメントを行いますので、パワーハラスメントが根底にあります。

 最近では、一般会社や公務員の就業規則でも禁止や注意が盛り込まれるケースが多く、職場にはセクハラ防止委員会が設置されるようになりました。

 またセクハラを理由に処分され退職するケース、懲戒解雇されるケースも少なくありません。

 お互いの人格を尊重しあい、お互いが大切なパートナーであるという意識を持ち、相手を性的な関心の対象としてのみ見る意識をなくし、異性を劣った性として見る意識をなくすことが重要です。