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退職
退職とは、労働契約の終了により今まで続けていた仕事を辞めることです。
●退職の種類
次のような種類があります。
・任意退職
労働契約の合意による解除。
・勧奨退職、希望退職
労働契約の合意による解除ですが、強迫・錯誤等による場合を除きます。
・無断退職
労働者からの労働契約の一方的解除。
・解雇
会社からの一方的な契約解除。
・契約期間の満了
契約期限の到来。
・休職期間満了による退職
就業規則の定めによります。
・行方不明期間経過による自然退職
・定年退職
終期の到来。
・本人の死亡
法定の終了。
●退職の時期
・労働者側から、一方的に退職届が出された場合、退職の意思表示から2週間で、民法上の労務提供義務が消滅するため、2週間(翌日起算暦日数)経過したら、退職は認められます。
・労働者側から一旦出した退職届の撤回の申し入れがあった場合、使用者がその退職に合意する前には撤回は認められますが、使用者がその退職に合意した後は撤回は認められません。
(解雇が正当な組合活動の範囲を超える細胞活動を理由になされたものとして有効とされた例 八幡製鉄解雇無効確認等請求上告事件昭和36.4.27)
退職日の変更は、労働者と使用者の双方が合意すれば可能です。
なお、解雇による退職には別の定めがあります。
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労働基準法第18条の2;
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」
労働基準法第19条;
「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。」
労働基準法第20条;
「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
2 前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
3 前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。」
労働基準法第21条;
「前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。
1.日日雇い入れられる者 2.2箇月以内の期間を定めて使用される者 3.季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者
4.試の使用期間中の者」
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●退職金
退職金の支給や支給基準が、労働協約や就業規則や労働契約で定められている場合は、賃金の一部後払いとしての性格があり、使用者には支払い義務、労働者には請求する権利があります。
一般的に、自己都合退職の場合は金額が低く、会社都合の場合は金額が多くなります。
なお、懲戒解雇の場合は退職金が減額もしくは不支給になる場合が多いようです。
退職金は、労働者もしくはその遺族の請求があってから7日以内に支払わなければなりません。
ただし就業規則で支払い時期が定められている時は、その定めによることになります。
●退職時の証明
労働基準法に、次の規定があります。
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労働基準法第22条;
「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
2 労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。
3 前2項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。
4 使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第1項及び第2項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。」
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●金品の返還
労働基準法に、次の規定があります。
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労働基準法第23条;
「使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。
2 前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。」
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●任意退職
任意退職とは、労働者自身の都合で退職するというもので、その事情はさまざまです。
労働者が退職の申し込みをして事業主が承諾したときには合意退職となります。
労働者が一方的な意思表示によって労働契約を解消して辞職することもできます。
根拠は、憲法22条の職業選択の自由による退職の自由もありますし、労働基準法による強制労働の禁止もあります。
民法の規定によると、労働契約が期間の定めのない契約である場合、いつでも労働者の意思で退職の申出を行うことができ、退職の申出後原則として2週間後には契約解除、つまり退職の効果が生じることになります。
期間をもって報酬を定めた場合は、解約の申入は次期以後にすることができます。ただし、その申入は当期の前半にすることが必要です。
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民法第627条;
「当事者カ雇傭ノ期間ヲ定メサリシトキハ各当事者ハ何時ニテモ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得此場合ニ於テハ雇傭ハ解約申入ノ後二週間ヲ経過シタルニ因リテ終了ス
A 期間ヲ以テ報酬ヲ定メタル場合ニ於テハ解約ノ申入ハ次期以後ニ対シテ之ヲ為スコトヲ得但其申入ハ当期ノ前半ニ於テ之ヲ為スコトヲ要ス」
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●月給者の場合
月給者の場合は賃金計算期間の後半に解約を申し出たときには、次の計算期間の終了日に退職の効果が生じます。
ところで、労働基準法では、使用者は、労働契約の締結に際し労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないことになっています。
この中に退職に関する事項も含まれており、雇入通知書等の書面による明示をすることになっています。
就業規則に必ず記載しなければならない事項(絶対的必要記載事項)にも、退職に関する事項が定められています。
退職に関する事項としては、退職の事由およびその手続き、解雇事由等の退職に関するすべての事項を記載することになっています。
このため実務上は、自己都合により退職するときには、原則として1ヵ月以上前に、少なくとも2週間前に退職届の提出を求めると就業規則等に規定する場合が多くあります。
●申出方法
労働者の退職の申出は法令上は口頭でもよく、書面である必要はありません。
ただし実務上は、労働者の退職の意思表示に行き違いがあったりして、退職後に辞職か解雇かでトラブルになるケースもありますので、意思表示が明確に確認できる書面であるほうがよいと思われます。
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●勧奨退職
退職勧奨とは、事業または事業所における使用者が労働者に退職の誘引をすることをいいます。
解雇が使用者からの一方的な雇用契約の解除であるのにたいして、退職勧奨は使用者の契約解除の申し込みに関して労働者が応じる合意により退職するもので、労働者本人の任意退職となります。
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・勧奨された労働者は退職に応じる義務はありませんが、退職に応じるとその企業等の退職金の割り増しを受けられたり、雇用保険における失業給付の待機期間の短縮などが受けられたりします。
退職勧告は、それがどのような理由であろうと、使用者の「退職してもらえないか」という「勧め」であって、それに応じるか応じないかは労働者の自由意思であり、その勧めに応じて労働者が労働契約の解約に合意した場合は「退職」となり、「解雇」(労働者の同意がない使用者側からの一方的な労働契約の解除である)ではありません(昭和27.7.2東京地裁)。
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・退職勧奨はリストラの一環として行なわれることが多いようです。
解雇には解雇ルールがあり、就業規則で明示された普通解雇もしくは懲戒解雇に記載された事項に該当するか、整理解雇の四要件に該当することがない限り解雇をすることは許されません。
そこで人員削減には退職勧奨という方法を用いて、使用者にとって不都合な労働者にたいし、退職の誘いをかけるわけです。
使用者からの退職勧奨に応じなければ仕事を取り上げられたり、遠隔地への配転を命じられたり、嫌がらせなどをされることがあり、リストラを多く実施する状況の最近ではトラブルとなっていることが多くなっています。
その退職勧奨が強迫や錯誤によりなされたものであるときは、労働者の「退職」は無効となり、場合によっては民法上の「不法行為」による損害賠償を請求される場合があります(H14.3.25.東京地裁 東京医科大学雇用関係存続確認等請求事件他)。
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退職勧奨は解雇ではありませんから解雇の法理の合理的理由の必要性は適用されませんが、後日のために、退職願いあるいは退職承諾書をとっておくとよいようです。
退職願い等の提出は、労働者の自由意思による退職の意思表示として有効な文書といえます。
●特定受給者資格者
雇用保険法による特定受給資格者は、倒産等により離職した者、解雇等により離職した者、被保険者期間が6月(離職前1年間)以上12月(離職前2年間)未満であって正当な理由のある自己都合により離職した者です。
雇用保険法による失業等給付の給付水準の決定については、企業整備における人員整理等に伴う退職勧奨による退職者は、原則として特定受給資格者と認定されることになります。
認定されれば、失業給付が通常の自己都合退職にくらべて手厚い会社都合退職扱いとなり、失業給付の待機期間が、通常の3ヶ月ではなく1週間となります。
ただし、早期退職優遇制度等に応募して離職した場合はこれに該当しません。
●早期退職優遇制度
早期退職優遇制度は、企業が独自に設定するもので、社員福祉の向上や中高年の数を減らしたいという狙いで行われ、退職金の取り扱いなどで早期退職者を優遇する制度です。
早期退職優遇制度なども退職勧奨に含まれます。
退職事由が自己都合であるにもかかわらず退職金額が有利となる会社都合の退職としたり、特別割増金を支給する企業が多くみられます。
制度の対象となるのはふつう全ての社員ではなく、40歳を上回る者とするのがほとんどで、勤続年数15年以上とか20年以上などの条件を加える企業もあります。
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●希望退職
希望退職とは、労働者の自発的な意思による退職の申出の誘引です。
一般的に、希望退職募集は労働契約の合意解約に向けて使用者が労働者に対して申込みの誘引であり、労働者が希望退職を申し出ればこれが合意解約の申込みになり、使用者の承諾で合意解約が成立すると考えられます。
裁判所は、
「本制度の利用について被告(会社側)の承諾を要件とした趣旨が、退職により被告の業務の円滑な遂行に支障が出るような人材の流出という事態を回避しようというものであって、それ自体不合理な目的とはいえない。そして、承諾が要件となっても、被告行員にとっては、不承諾の場合には、従前の退職金を受領して退職するか、雇用契約を継続するかという選択は可能であり、また、承諾となる前であれば、申し込みを撤回することも可能であって、いずれにしても従前の雇用条件の維持は可能であることから行員に著しい不利益を課すものとはいえない。したがって、本制度について承諾という要件を課すことが公序良俗に反するものとはいえない。」
と判示しました。 (大和銀行事件大阪地判平12.5.12)。
また、使用者の承諾を得ずに退職した場合は、希望退職手続きにそった退職とはいえず、割増退職金などの特典は受けられないことになります。(アラビア石油事件・東京地判平13.11.9)
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なお、この点については異なる見解があります。
希望退職は、法的には、使用者による合意解約の申込みと解され、労働者の応募の意思表示が使用者に到達すれば、その時点で合意退職が成立するとの見解です。
この見解では、合意退職が成立する時期が早くなります。
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会社側の希望退職の募集に対して労働者の自由意思により労働契約を解除するわけですから、労使双方が労働契約の解除に合意した退職となります。
勧奨退職と同様、会社都合によるからすべて解雇というわけではありません。
会社としては、後日のため退職願い等の文書をとっておくとよいでしょう。
退職金の増額等、通常の退職条件よりも有利な条件を提示して退職を誘引するのが普通です。
多くの場合、人員整理の手段として整理解雇に先だって行われます。
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雇用調整に当たって、希望退職の募集などを行わずに、いきなり整理解雇を行うと、解雇回避努力義務を怠ったとして無効とされる場合があります。
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希望退職に応じるかどうかは、あくまでも労働者の自由です。
会社側から示された条件を熟慮し、慎重に判断した上で、希望退職に応じるかどうかを決めましょう。
もし、そのまま会社に留まりたいと思うのなら、応じる必要はありません。
いったん希望退職に応じてしまうと、それを翻すことは難しいようです。
希望退職に応じた場合の優遇条件などが具体的に文書で示されていない場合には、詳細な内容を書面で明示し説明会の開催などの方法により周知するよう会社に求めましょう。
●強制強要
使用者が希望退職に応じるように圧力をかけたり、不利益に扱うなどと脅したりした場合;
・実質的に解雇と認められることがあります。
・退職の意思表示が強迫によるものとして取消可能なことがあります。
また、繰り返してなされる執拗で半強制的な退職の勧めは違法とされ、退職勧奨を行った者は損害賠償責任を負うことがあります。
裁判所は、
「男性教師らに対して教育委員会が退職を強く勧め、3〜4ヵ月の間に11〜13回にわたり出頭を命じ、長いときは2時間にもおよぶ退職勧奨を行い、さらに退職勧奨を受け入れない限り配転をほのめかすなどした事件で、裁判所は、退職勧奨は多数回かつ長期にわたる執拗なものであり、退職の勧めとして許される限界を超えているとして、男性教師らがこうむった精神的苦痛に対して損害賠償責任を負う」
と判示しました。 (下関商業高校事件 最一小判昭55.7.10)
●特定受給資格者
雇用保険法による特定受給資格者は、倒産等により離職した者、解雇等により離職した者、被保険者期間が6月(離職前1年間)以上12月(離職前2年間)未満であって正当な理由のある自己都合により離職した者です。
雇用保険法による失業等給付の給付水準の決定については、人員整理を目的とし、措置が導入された時期が離職者の離職前1年以内であり、かつ、希望退職の募集期間が3ヶ月以内である場合においては、原則として特定受給資格者と認定されることになります。
ただし、早期退職優遇制度等に応募して離職した場合はこれに該当しません。
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●無断退職
無断退職とは、従業員が一方的に会社に退職を通告したり、ある日突然出社しなくなり無断で退職をしてしまうことです。
ふつう従業員が退職する時は、本来使用者に退職する旨を事前に申し出て、その後使用者が退職の了承をするのが原則です。
●期間の定めのない雇用契約の無断退職
使用者が一方的に労働契約を解除しやめさせる解雇には法律上いろいろな規制がありますが、従業員が一方的に退職することについては規制がありません。
民法上期間の定めのない契約はいつでも解約の申入れをすることができ、2週間経過すると効力が発生します。
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民法第627条;
「当事者カ雇傭ノ期間ヲ定メサリシトキハ各当事者ハ何時ニテモ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得此場合ニ於テハ雇傭ハ解約申入ノ後二週間ヲ経過シタルニ因リテ終了ス
A 期間ヲ以テ報酬ヲ定メタル場合ニ於テハ解約ノ申入ハ次期以後ニ対シテ之ヲ為スコトヲ得但其申入ハ当期ノ前半ニ於テ之ヲ為スコトヲ要ス」
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たとえ会社の就業規則に退職する時は1ヶ月前までに退職の申し出をすることと定めてあっても、退職の意思表示があった翌日から2週間たつと使用者の承諾がなくても退職の効力が発生することになります。
退職する場合、労働者は、請求すれば7日以内に未払いの賃金を支払ってもらえます。
積立金、貯金など、自己の権利に属する金品があるときは、返してもらうことができます。
労働者は、就業規則などに定められた期日までに、社員証や貸与されていた制服、健康保険証などを使用者側に返さなければなりません。
●懲戒解雇との関係
就業規則で労働者は1ヶ月前に退職を申出なければならないと定められていても、通常の労働者は退職願いを提出して2週間経過すると使用者の承諾がなくても退職の効力が発生します。
したがって、懲戒解雇事由があるとき、早く調査して処分しないと退職した労働者は懲戒解雇できないことがあります。
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裁判所は、
「労働者の一方的な雇用契約解約申し入れの効力の発生は、民法627条1項により解約申し入れ後2週間を経過した日であり、退職提出日の8日後に到達した懲戒解雇の意思表示は、雇用契約継続中になされたもので、適法・有効である。」
と判示しました。 (平成9.2.18東京地裁判決、内外日東事件)
●期間を定めた雇用契約の無断退職
憲法で保障されている職業選択の自由は、働く自由と働かない自由を保障していると解釈されています。
従業員は、職業選択の自由により、強制的に労働させられず、事実上辞めることはできます。
しかし、契約違反により損害賠償を請求されることがあります。
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契約期間の定めがある場合は、原則として、使用者は契約期間の満了前には労働者を辞めさせることができない反面、労働者も契約期間中は辞めることができません。
ただし、やむを得ない事由があるときは、契約を一方的に解除することも可能です。
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民法第628条;
「第六百二十八条当事者カ雇傭ノ期間ヲ定メタルトキト雖モ已ムコトヲ得サル事由アルトキハ各当事者ハ直チニ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但其事由カ当事者ノ一方ノ過失ニ因リテ生シタルトキハ相手方ニ対シテ損害賠償ノ責ニ任ス」
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やむを得ない事由に当たらない場合、契約途中で一方的に辞めることは、労働者の労務提供義務を実行しないことになり、契約違反となります。
この場合、会社側に損害が発生していれば、損害賠償義務を負うことがあります。
退職する場合、労働者は、請求すれば7日以内に未払いの賃金を支払ってもらえます。
積立金、貯金など、自己の権利に属する金品があるときは、返してもらうことができます。
労働者は、就業規則などに定められた期日までに、社員証や貸与されていた制服、健康保険証などを使用者側に返さなければなりません。
なお、給料は原則として全額払いですので、会社は従業員の同意なしに損害賠償額を一方的に相殺することはできません。
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解雇についての概要です。
●解雇とは
解雇とは、企業の一方的な意思によって従業員を辞めさせることです。
使用者と労働者の合意で結ばれた雇用契約を使用者側が解約することを解雇といい、労働者側が解約する退職と区別します。
解雇に関しては、労働基準法に規定があります。
・期間を定めていない雇用契約は、30日前までに予告をすれば解約できることを定めています。
・社会的身分などを理由とした解雇や、労働基準監督署への申告を理由とする解雇などは禁止されています。
・客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効となります。
・使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告をしなければなりません。
・30日前に予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。
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労働基準法第18条の2;
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」
労働基準法第19条;
「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
2 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。」
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労働基準法の禁止条項に抵触しない限り、使用者は自由に解雇できることになります。
そこで、最高裁判所は、合理的な理由がなく社会通念に照らして許すことのできない解雇について、解雇権の濫用であって無効となるとの判断を示しています。
その結果、企業は従業員の解雇に慎重になると同時に、あいまいな解雇基準をめぐる労使間の対立が長期化するという弊害も出ている。
●解雇の種類
解雇は、その理由によって、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇があります。
・普通解雇は、整理解雇、懲戒解雇以外の解雇です。
使用者側の理由であれ労働者側の理由であれ、これ以上、継続的な契約は履行できないとして、労働契約を解消することです。
主たる理由は、職務遂行能力がないという能力不足、けがや病気で当初の約束通り働くことができない、協調性がなく他の従業員と円滑に仕事することができない、出勤不良、勤務態度不良・企業秩序違反などです。
勤務態度不良や軽微な企業秩序違反がみられても、一度だけでは解雇事由になりません。
何回も繰り返され、その積み重ねによって業務遂行上、問題が生じるような場合に解雇事由となります。
・整理解雇は、人員整理等経営上の理由による解雇です。
整理解雇は、労働者に落ち度もなく解雇されることから、効力の判断として次の4つの要件を挙げています。
人員削減の経営上の必要性
整理解雇回避努力義務の実行の有無
合理的な整理解雇基準の設定と、公正な適用
労使間での協議義務の実行
・懲戒解雇は、企業秩序に違反した等の理由による懲戒処分としての解雇です。
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次の場合は解雇が禁止されています。
・業務上の傷病による休業期間及びその後の30日間
・産前産後の女子が労基法65条によって休業する期間及びその後30日間
・労働者の国籍信条または社会的身分を理由とした解雇
・労働基準監督署等へ会社の労基法違反について申告したことを理由とする解雇
・労働者が女性であること、または女性が婚姻・妊娠・出産をしたことを理由とする解雇
・労働者が育児・介護休業をしたことを理由とする解雇
・労働者が労働組合に関する活動をしたことを理由とする解雇
・労使協定の過半数代表者になること、なろうとしたことを理由とする解雇
・ADR法に基づく援助を求めたこと、あっせんを申請したことを理由とする解雇
・企画業務型裁量労働制の労使委員会の労働者委員になることを理由とする解雇
・一般派遣業務の意見聴取等の労働者の過半数代表者になることを理由とする解雇
・公益通報を理由とする解雇
・妊娠中・産後1年以内の解雇
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●懲戒解雇
懲戒解雇は、使用者が労働者に対し、秩序罰として労働契約を解消する行為です。
・原則として極めて軽微なものを除き、事業内における盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為のあった場合
・
一般的にみて『きわめて軽微』な事案であっても使用者があらかじめ不祥事の防止について手段を講じていたことが客観的認められ、しかも労働者が継続的または断続的に盗取、横領、傷害等の刑法犯またはこれに類する行為を行った場合
・事業外で行われた窃盗、横領、傷害等刑法犯に該当する行為であって、それが著しい事業場の名誉もしくは信用を失墜するもの、取引関係に悪影響を与えるもの、または労使間の信頼関係を喪失すると認められる場合
・
賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合、またこれらの行為が事業場以外で行われた場合であっても、それが著しく事業上の名誉若しくは信用を失墜するもの、取引関係に悪影響を与えるもの、また労使間の信頼関係を喪失すると認められる場合
・雇い入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合及び雇い入れの際使用者の行う調査に対し、不採用となるような経歴を詐称した場合
・他の事業へ転職した場合
・原則として2週間以上正当な理由なく無断欠席し、出勤の督促に応じない場合等
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単なる債務不履行によって解雇するのではなく、企業秩序違反を理由に罰として解雇することになります。
懲戒を与えるには労働者の同意が必要とされます。
一般的には労働契約時に労働者から誓約書(包括同意)をとる形で行われます。
懲戒解雇される場合は解雇予告も解雇予告手当の支払いもなく即時になされ、退職金も全部または一部が支給されないというようなことがあります。
けれども、その懲戒処分に合理性があっても、自動的に解雇予告や解雇予告手当の支払いが不要になるわけではありません。
労働基準監督署の解雇予告除外認定を受ける必要があります。
退職金不支給も就業規則など明記してそのことが労働契約の内容となっている場合に始めてできるものです。
また、その不支給の規定が行為の程度と退職金不支給の程度を比較して合理的かどうかという問題もあります。
●解雇の手続き
解雇の意思表示の方法は特に法律上何らの規定もおかれていません。
口頭で申し渡しても、文書で通知しても差し支えないわけです。
ただ、いずれの方式をとっても被解雇者が確実に了知し、また知りえる状態にしなければなりません。
解雇は、労働者にとって深刻な影響を与えるので、よく法律上の争いとなります。
したがって、解雇通知も後日争いとなることを予想して、確実、しかも証拠関係を明らかにしておくことが必要です。
一般には文書で通知する方法がとられています。
口頭通知の場合は、誰か立会人をおくとよいし、郵送の場合は、配達証明の手続きをとっておくと一層確実だといえます。
労働者を解雇する場合は、少なくとも解雇しようとする日の30日前に解雇日を特定して通知する必要があります。
解雇予告がされても解雇日までは、従来の労働関係が継続していることになります。
解雇予告に代えて30日分以上の平均賃金=解雇予告手当を支払えば即時解雇することが認められます。
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労働基準法第20条;
「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
2 前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。 3
前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。」
労働基準法第21条;
「前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでない。
一 日日雇い入れられる者 二 2箇月以内の期間を定めて使用される者 三 季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者
四 試の使用期間中の者」
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この予告日数と予告手当の関係は部分的でも行うことができます。
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一般に、期間の定めのある労働契約によって雇用契約するのは次のような場合です。
・定年後の再雇用の場合の嘱託型契約社員、
・高度専門職型契約社員、
・準社員型契約社員、
・パート・アルバイト型契約社員など
一定の期間を定めて雇用した場合、その期間が満了すれば労働契約が自動的に終了します。
これは解雇ではなく、退職に該当します。(昭23.1.16基発56号)
雇用保険の支給要件との関係では、契約期間満了の退職は、会社都合になります。
自己都合による退職の場合は、待期期間満了後3箇月間の給付制限がありますが、会社都合の場合はそれがありません。
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契約期間の定めのある契約について;
●契約途中
・契約期間中はいつでも「解雇、退職できる」旨の定めがある場合
期間途中に契約解除する場合、使用者は解雇でき、労働者は退職できます。
・契約期間中はいつでも「解雇、退職できる」旨の定めがない場合
原則として、労働者はその期間は退職が禁止され、使用者も解雇が禁止されます。
●反復更新
ただし、雇用契約を反復更新していくと、契約が反復されるにしたがって漸次その有期的性格を失い(昭46.3.2 水戸地裁 日立製作所事件)、あたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態になります。
期間満了によって雇い止めするに当たっては、解雇に関する法理が類推されます(昭49.7.22最高裁 東芝臨時工事件)。
労働基準法の解雇予告の定めに従うこと、および雇い止めに当たっての正当理由の存在等、一般的解雇要件である社会通念上相当の理由が必要となってきます。
●更新拒否
使用者側は、雇用期間の途中で解雇する場合、民法上残余期間の賃金の支払義務が生じる場合があります。
雇用期間中に解雇する場合、それが「一方の過失に因って生じたとき」は、「相手方に対し損害賠償の責めに任ずる」(民法628条)のです。
その解雇が労働者側の勤務成績不良等が原因である場合は、使用者は、残余期間の賃金の支払いは免除されます。
労働者側から期間の途中で退職の申出があった場合、民法628条の定めにより、やむを得ない事由がなければ退職できないのが原則です。
労働者がどうしても退職したいと申し出る場合は、労働契約を合意によって退職するか、そもそも当該労働契約で定めた労務提供が今後期待できないとして普通解雇するのがふつうのようです。
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休職期間満了による退職;
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●休職とは
休職とは働けなくなったときに雇用関係を維持したまま一定の期間 労働義務を免除するものです。
出向のための業務休職、私傷病休職、起訴休職、懲戒休職、公務就任、海外留学などの期間中になされる自己都合休職、組合専従期間中の休職、天災事故休職、伝染病休職などがあります。
これらの場合には、休職をもたらした事由が終了すれば復職することが予定されています。
休職の根拠、手続方法については、国家公務員法に規定があrますが、民間労働法規には明文の規定はなく、通常は労働契約や就業規則等の規定によります。
休職中の療養補償、休業補償については、労働基準法に規定があります。
・使用者は、療養補償で必要な療養費用を負担し、休業補償で平均賃金の6割を負担します。
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労働基準法第75条;
「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。
A 前項に規定する業務上の疾病及び療養の範囲は、厚生労働省令で定める。」
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・一定の場合には、打切り補償を行うことができます。
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労働基準法第81条;
「第七十五条の規定によつて補償を受ける労働者が、療養開始後三年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の千二百日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。」
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●解雇制限
業務上負傷疾病については、療養期間とその後30日は解雇できません。
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労働基準法第19条;
「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
A 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。」
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●傷病休職
傷病休職は、休職期間中に傷病が治癒すれば復職となり、治癒せずに休職期間が満了すれば自然退職または解雇となります。
そこで、復職の要件である治癒が備わったか否かに関して争いが生じます。
治癒とは、原則として従前の職務を通常の程度行なえる健康状態に復した時を言います。(平仙レース事件 浦和地判昭40.12.16)
ほほ平癒したが従前の職務を遂行する程度には回復していない場合には、復職は権利として認められません。(アロマカラー事件 東京地決昭54.3.27)
当初は軽易業務に就かせれば程なく通常の業務へ復帰できるという回復ぶりである場合には、使用者がそのような配慮を行なうことを義務づけられる場合もあります。
医師の診断により労働者の傷病回復の状況等が、業務に堪えられるか、復職した際の支障の有無・程度等を判断し、元の職場に復帰することや配置転換の可能性があるにもかかわらず、それを無視し解雇した場合はその解雇は無効になる可能性が高いようです。
復職できる心身の状況ではなく、適当な職種がないという状況であれば経営者の解雇権も認められる可能性もでてきます。
なお、就業規則で休職期間が満了し復職できないときは解雇か自然退職か、あらかじめ条件を明示しておく必要があります。
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行方不明期間経過による自然退職;
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●行方不明
雪山登山、アドベンチャー・ツアーなど危険の多いレジャーの結果や、サラ金やクレジット問題で、債権者の取立から逃れるための失踪などで、従業員が事前の連絡なしに会社に来なくなり、その期間が長期に亘ることがあります。
行方不明とは、災害その他の事情でその人物の居場所・安否などが不明になっている状態を指します。
行方不明者は生存していれば、生きている場所でさまざまな法律行為が、多くは有効に行われますが、もう1つ不在になった場所に残された財産をどう扱うかが問題になります。
不在になった場所での行方不明者の扱いは、民法の不在者の財産管理人の定めによる場合が多いようです。
これにより行方不明者の財産については、一定の手続きによって配偶者等が受領することができます。
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民法25条;
「従来ノ住所又ハ居所ヲ去リタル者カ其財産ノ管理人ヲ置カサリシトキハ家庭裁判所ハ利害関係人又ハ検察官ノ請求ニ因リ其財産ノ管理ニ付キ必要ナル処分ヲ命スルコトヲ得本人ノ不在中管理人ノ権限カ消滅シタルトキ亦同シ
A 本人カ後日ニ至リ管理人ヲ置キタルトキハ家庭裁判所ハ其管理人、利害関係人又ハ検察官ノ請求ニ因リ其命令ヲ取消スコトヲ要ス」
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●失踪宣告
失踪宣告とは、生死不明で死体が確認できていない者などの法律関係をいったん確定させるための便宜上の制度です。
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民法30条;
「不在者ノ生死カ七年間分明ナラサルトキハ家庭裁判所ハ利害関係人ノ請求ニ因リ失踪ノ宣告ヲ為スコトヲ得 A
戦地ニ臨ミタル者、沈没シタル船舶中ニ在リタル者其他死亡ノ原因タルヘキ危難ニ遭遇シタル者ノ生死カ戦争ノ止ミタル後、船舶ノ沈没シタル後又ハ其他ノ危難ノ去リタル後一年間分明ナラサルトキ亦同シ」
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生死が7年以上、戦争や遭難などの危難により生死不明である場合は1年以上明らかでないとき、利害関係人から家庭裁判所に請求することで、失踪宣告をしてもいらいます。
失踪宣告により、行方不明者は亡くなったものと看做されます。
●雇用関係 ・就業規則等に規定がある場合
長期無断欠勤状態が一定の期間を超えたときは自然退職事由となる、という定めがあるときは、自然退職とすることができます。
・就業規則等に規定がない場合
長期無断欠勤状態が一定の期間を超えたときは自然退職事由となる、という定めがないときは、自然退職とすることができません。
この場合、長期無断欠勤を理由とする解雇を検討することになります。
不慮の災難による場合のように従業員の責任によるものではないとしても、普通解雇理由があり、労働基準法の解雇手続を取る限り、解雇は有効とされるようです。
クレジットやサラ金問題による失踪のように原因が分っている場合には、従業員の責任による欠勤として懲戒解雇もできるようです。
しかし、原因不明の場合には、原因の如何を問わず実質的な長期の不就労を理由とする普通解雇が限度のようです。
解雇の意思表示は、従業員が未成年の場合は親権者法定代理人である両親に対して行なう方法があります。(民法5条、818条)
成年者の場合は、公示による意思表示という裁判所を用いる手続によることになります。(民法98条、民訴法110乃至113条)
ただし、解雇に関する労基法の規制を受けますから、解雇予告手当を債権者の所在不覚知等の理由で供託するか、労基署の事前認定を受けない限り、退職日は公示による意思表示到達後30日後ということになり、事前の対応が必要です。
●事前対応
事前の対応は、一定期間勤務しない場合は当然に自然退職とする規定と、原因の如何を問わず会社に出勤しない状態または従業員が会社に届け出た連絡先での会社との連絡不能となった状態が○ヵ月以上経過した場合は自然退職とする、という規定を就業規則においておくことです。
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・豊田自動織機製作所事件
「事故欠勤が1ヵ月以上で特別の事由が認めれられないときは、自然退職となる」という定めは使用者の解雇の意思表示をまつことなく、1ヵ月の事故欠勤期間満了と同時に自然退職となることを定めたものとされています。
(名古屋高判昭和48・3・15労判183-50)
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ただし、業務上の災害による場合等この規則に別に定める場合を除く、という配慮も必要ではないでしょうか。
また、自然退職後の私物の整理や退職金、未払賃金の精算事務の円滑化のため、都合により従業員が受領できない場合の精算金や私物等の受取りの使者=代行者を従業員から身上届出を提出させる際に指定させ、その者に対して、これらの処理ができるようにしておくことも必要です。
そうしておかないと、供託などの方法や保管責任の問題が発生します。
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定年退職;
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●定年とは
定年とは、仕事などで、ある一定の年齢が達したら引退する年齢のことです。
定年制とは、労働者が一定の年齢に達すると自動的に雇用関係が終了する制度のことです。
定年退職は男性と女性で変えることはできません。
平成10年4月1日から、60歳以下の年齢で定年制を決めることは出来ません。
60歳以下の年齢で定年制を定めた場合はその規定は無効になり、定年の定めの無い契約になります。
ただし、高齢者が従事することが困難であると認められる業務として労働省で定める業務の場合は適用除外になります。
また、職種別で定年を定める会社も有りますが、直ちに違反ということにはなりません。
内容を実質的に判断してそれが権利の濫用,不平等の取扱になるかを慎重に判断する必要があります。
●定年退職
定年退職とは、定年により退職し雇用関係を終了することです。
会社が定年制を導入するには、定年に関する事項を就業規則に明記し、かつその定年制が慣行的に行われている必要があります。
日本の企業の正社員と公務員は、その大部分が定年制を導入しています。
定年年齢のいつの時点で定年退職とするかは、会社により異なります。
・誕生日とする場合
定年年齢に達した誕生日に定年退職とする方法です。
定年日を誕生日の月末付などにする場合もあります。
この方式では、就業期間が最大1年近く差がありますので、同期入社・同年齢で、役職、待遇が全く同じであったとしても生涯賃金、退職金の額が異なってくることになります。
・年度ごとにそろえる場合
その年度に定年退職する人の退職日を揃える方式です。
この方式では、次の一括採用日までに欠員がだんだん増えていく状態を回避できます。
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定年を定めない企業もあります。
●65歳定年への移行
一般企業の正社員においては、60歳を定年にしているところが圧倒的に多かったですが、厚生年金の受給年齢が65歳に引き上げられることもあって、次のような対応が行われています。
2006年4月1日施行の改正高年齢者雇用安定法(下記については、)により、事業主は65歳までの安定した雇用を確保するために、下記のいずれかの措置を講じなくてはなりません。
・定年の65歳への引上げ
継続雇用制度を導入して、労使協定により、継続雇用制度の対象となる基準を定めることができます。
・継続雇用制度の導入
・定年制の廃止
定年年齢の65歳への引上げや、定年制度自体の廃止まで踏み込む企業は、一部の中小企業や零細企業を除き、まだ少ないようです。
なお、諸外国、特に欧米諸国では、雇用における年齢差別の廃止という目的のため、定年を廃止、または法律で禁止する動きになっています。
●継続雇用
継続雇用とは、現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者を定年後も引き続いて雇用する制度のことです。
継続雇用ついても、就業規則に定めることが必要です。
継続雇用の基準を定めるということは、逆に言えば継続希望者全員を雇わなくよいということでもあります。
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本人の死亡;
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労働者が死亡すれば労務が提供できず、労働契約関係が維持できませんので、自動的に退職となります。
会社がやることは、退職に伴う手続きです。
・最後の給料の支払い
・退職金の支払い
・健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届
・雇用保険被保険者資格喪失届
また、主に遺族がやることもあります。
・健康保険埋葬料請求
・遺族基礎年金裁定請求
・労災の場合、労働者死傷病報告、労災遺族(補償)年金支給請求、労災葬祭料請求
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