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雇用・人事・労務・その他・業務

賃金とは、給料、手当、賞与など、労働の対象として使用者が労働者に支払う全ての報酬のことをいいます。

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 労働基準法 第11条

「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」

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●賃金の範囲

 基本給、残業手当、住宅手当、家族手当、賞与などが該当し、通勤手当又はその現物支給としての通勤定期券は賃金も取り扱われます。

 企業によって内容には差異がありますが、多くの企業では賃金体系を定めています。

・所定内賃金

 基本給

 役付手当

 特殊勤務手当など

 精皆勤手当

 能率給など

 家族手当

 通勤手当

 住宅手当

 物価手当

 食事手当

・所定外賃金

 時間外手当

 休日手当

 宿日直手当

・特別に支払われる給与

(賞与)
 
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 そして、労働の対価といえないものは賃金には含まれません。

・会社からの恩恵

 結婚祝金・見舞金等

・福利厚生給付

 住宅・食事等

・企業設備の一環

 制服・作業衣・旅費等

●ノーワーク・ノーペイの原則

 給与は職員の勤務に基づいて支払われるため、職務に従事しなかった期間については原則的に給与は支給されない、というものです。

 たとえば、欠勤・遅刻・ストライキに参加した場合は、その分の賃金の支払はありません。

 例外;

 年次有給休暇

 休業手当(給料の60%)

 育児・介護休暇(国から給付される)

●賃金支払の5原則

 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければなりません。また、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。

・通貨払の原則

 賃金は、通貨で支払わなければなりません。

 外国通貨や小切手による支払は違法になります。

 例外;

 法令に別段の定めがある場合

 労働協約に別段の定めのある場合

 賃金と退職手当について、使用者が労働者の同意を得た場合

・直接払の原則

 賃金は、直接労働者に支払わなければなりません。未成年者にも直接支払わなければなりません。

 例外;

 本人の使者として受け取りに来た者に支払うこと

 労働者派遣事業の事業主が、派遣中の労働者に派遣先の使用者を通じて支払うこと

・全額払の原則

 賃金は、その全額を支払わなければなりません。

 例外;

 法令に別段の定めがある場合

 任意控除

・毎月1回以上払の原則

 賃金は、毎月1日から月末までの間に、少なくとも1回は支払わなければなりません。

 少なくとも1回ですから日払い・週払いも問題ありません。
 
 例外;

 臨時に支払われる賃金

 賞与

 1箇月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当

 1箇月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当

 1箇月を超える期間にわたる事由によって算出される奨励加給又は能率手当

・一定期日払の原則

 賃金は、毎月一定の期日に支払わなければなりません。

 例外;

 非常時払

 金品の返還

●平均賃金

 平均賃金とは、労働基準法で定められている、、解雇予告手当(労基法第20条)、休業手当(労基法第26条)、年次有給休暇日の賃金(労基法第39条)、災害補償(療養補償を除く第76条から第82条)、減給の制裁(労基法第91条)の算定の場合に、その計算の基礎として用いられる基準となる金額です。

 労働者の生活を保障するため、通常の生活賃金をありのままに算定することを基本とし、原則として事由の発生した日以前3か月間に、その労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額になります。

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 労働基準法 第12条

「この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によつて計算した金額を下つてはならない。
賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十二
賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額
(2)前項の期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。
(3)前二項に規定する期間中に、次の各号の一に該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、前二項の期間及び賃金の総額から控除する。
一  業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
二  産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業した期間
三  使用者の責めに帰すべき事由によつて休業した期間
四  育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (平成三年法律第七十六号)第二条第一号 に規定する育児休業
又は同条第二号 に規定する介護休業(同法第六十一条第三項 (同条第六項 から第八項 までにおいて準用する場合を含む。)に規定する介護をするための休業を含む。第三十九条第七項において同じ。)をした期間
五  試みの使用期間
(4)第一項の賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない。
(5)賃金が通貨以外のもので支払われる場合、第一項の賃金の総額に算入すべきものの範囲及び評価に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(6)雇入後三箇月に満たない者については、第一項の期間は、雇入後の期間とする。
(7)日日雇い入れられる者については、その従事する事業又は職業について、厚生労働大臣の定める金額を平均賃金とする。
(8)第一項乃至第六項によつて算定し得ない場合の平均賃金は、厚生労働大臣の定めるところによる。
 
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●平均賃金額の計算

(1)原則

 平均賃金=(算定事由発生日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額)÷(算定事由発生日以前3ヶ月間の総日数)

 賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日 から起算して計算します。

 平均賃金に余りが出たときは、銭未満を切り捨てます。

(2)例外

 パートタイマーやアルバイトなどで、賃金が、日、時間によって算定され、又は、出来高払制その他の請負制によって定められている場合は下記の計算式で最低保障額を計算し、(1)と(2)のいずれか高いほうの金額を平均賃金として計算します。

 最低保障額=(算定期間中の賃金の総額)÷(算定期間中に実際に労働した日数)×62/100(0.62)

(3)注意

 事由によって計算方法が複雑となる場合があり、また、特殊な事案については都道府県労働局長が決定する場合があります。

●計算時控除するもの

 算定期間中の総日数と賃金の総額の両方から控除するもの

 ・業務上の負傷・疾病による療養のための休業期間

 ・産前産後(産前6週間、産後8週間:例外あり)の女性が労働基準法第65条によって休業する期間

 ・使用者の責めに帰すべき事由による休業期間

 ・育児休業又は介護休業をした期間

 ・試みの使用期間

 算定期間中の賃金の総額のみから控除するもの

 ・臨時に支払われた賃金(私傷病手当、各種見舞金、退職金など)

 ・3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(夏と冬のボーナスなど)

 ・通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの(現物給与)

●端数処理

 賃金計算には、ときどき端数が発生します。

 賃金カットや残業時間の計算を10分、15分、30分単位で行っている会社がほとんどだからです。

 賃金計算の端数の取扱は、法律上の規定ではなく労働基準法第24条に基づく行政解釈としての位置づけです。

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 労働基準法 第24条

「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

 2 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第89条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。」

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 行政解釈;

・割増賃金計算における端数処理については、つぎのような処理方法をとる場合には、全額払いの原則等に反するものとしては取扱わないこととされています。

 1ヶ月における時間外労働、休日労働、および深夜労働の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨てて、それ以上を1時間以上に切り上げること。

 1時間当たりの賃金額および割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること。

 1ヶ月における時間外労働、休日労働、深夜業の各々の割増賃金の額に1円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること。

・1ヶ月の賃金支払額における端数処理については,次の方法は賃金支払の便宜上の取扱いと認められることから、全額払いの原則に反するものとしては取扱われません。

 1ヶ月の賃金支払額(賃金の1部を控除して支払う場合には控除した額)に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払うこと。

 1ヶ月の賃金支払額に応じた1000円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うこと。

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 基本的に労働時間は1分単位で取扱うべきですが、厚生労働省は、賃金計算で1ヶ月の労働時間数を把握するときに、1ヶ月のトータルから30分未満は切り捨て、30分以上は切り上げるというのであれば違法にはなりません。

 15分単位で、5分遅刻は0分に、20分遅刻は15分に切り捨てる取扱いのように、労働者に必ず有利になるケースを除き、1日単位で労働時間の切り捨て切り上げをするのは認められないでしょう。

 また、働かなかった分を超えてカットする場合、就業規則で定めてある場合には制裁としての控除が認められていますが、1回の減給は平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における総額の10分の1を超えてはならないとされています。

●最低賃金

 最低賃金制とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされている制度です。

 現在、最低賃金のほとんどは審議会方式によって決定されており、賃金の実態調査結果など各種統計資料を十分に参考にしながら審議が行われ、労働者の生計費、類似の労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力の3要素を考慮して決定(改正)されています。

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 最低賃金法第1条

「この法律は、賃金の低廉な労働者について、事業若しくは職業の種類又は地域に応じ、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」

 最低賃金法第3条

「最低賃金は、労働者の生計費、類似の労働者の賃金及び通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。」

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●最低賃金の種類

 最低賃金には、下記のように地域別最低賃金と産業別最低賃金の2種類があります。

・地域別最低賃金

 地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、すべての労働者とその使用者に適用される最低賃金として、各都道府県ごとに設定されます。

 地域別最低賃金の金額は、都道府県労働局長が、改正を必要と認める場合に、地方最低賃金審議会に諮問し、同審議会の意見(答申)を尊重して決定されます。

 例:××県最低賃金

・産業別最低賃金

 産業別最低賃金は、関係労使が、基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を必要と認めるものについて設定されるものです。

 産業別最低賃金の金額は、関係労使の申出を受けて、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が、決定(改正)の必要性を最低賃金審議会に諮問し、必要との意見が出された場合に、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が最低賃金審議会に諮問し、同審議会の意見(答申)を尊重して決定(改定)します。

 例:××県××製造業最低賃金

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 最低賃金法第4条

「最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。以下同じ。)は、時間、日、週又は月によつて定めるものとする。
2 賃金が通常出来高払制その他の請負制で定められている場合であつて、前項の規定によることが不適当であると認められるときは、同項の規定にかかわらず、厚生労働省令で定めるところにより最低賃金額を定めることができる。」

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 なお、地域別と産業別の両方の最低賃金が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。

●最低賃金の効力

 仮に最低賃金額より低い賃金を労使合意の上で定めても、それは法律により無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。

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 最低賃金法第5条

「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。
2 最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で、最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす。
3 次に掲げる賃金は、前2項に規定する賃金に算入しない。
 1.1月をこえない期間ごとに支払われる賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
 2.通常の労働時間又は労働日の賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
 3.当該最低賃金において算入しないことを定める賃金
4 第1項及び第2項の規定は、労働者がその都合により所定労働時間若しくは所定労働日の労働をしなかつた場合又は使用者が正当な理由により労働者に所定労働時間若しくは所定労働日の労働をさせなかつた場合において、労働しなかつた時間又は日に対応する限度で賃金を支払わないことを妨げるものてはない。」

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●最低賃金の適用

 最低賃金は、原則として事業場で働く常用・臨時・パート・アルバイトなど雇用形態や呼称の如何を問わずすべての労働者とその使用者に適用されます。

 しかし、一般の労働者と労働能力などが異なるため最低賃金を一律に適用すると、かえって雇用機会を狭める可能性がある労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の適用除外が認められています。

 最低賃金の適用除外を受けられる労働者は

・精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者

・試の使用期間中の者

・職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうちの一定のもの

 所定労働時間の特に短い者
 軽易な業務に従事する者
 断続的労働に従事する者

となっています。

 なお、適用除外許可を受けようとする使用者は、それぞれの所定様式による申請書2通を作成し、所轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出しする必要があります。

●対象となる賃金

 通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られます。

 実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものです。

・臨時に支払われる賃金(結婚手当など)

・1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

・所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(所定外割増賃金など)

・所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)

・午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)

・精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

●最低賃金額の確認

 地域別最低賃金については平成14年度改正時から、産業別最低賃金については平成15年度改正時から、それぞれ日額が廃止され時間額のみの表示となりました。

 実際の賃金が最低賃金額以上となっているかどうかは、次の方法で比較します。

・時間給(地域別最低賃金の場合)

 時間給≧最低賃金額(時間額)

・日給(地域別最低賃金の場合)

 日給÷所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

・週給・月給等(地域別最低賃金の場合)

 賃金額を時間当たりの金額に換算し最低賃金(時間額)と比較