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人事考課制度
人事考課制度とは、仕事の成果とそのプロセスを評価するもので、個人の持つ能力をどれだけ発揮したかを評価するものです。
賃金の決め方としてどの制度を採用するかで、人事制度も大きく変わってきます。
賃金の決め方には、職務の価値給と職務の成果給を中心とした職務基準賃金と、年功給・職能給などの属性基準賃金があります。
前者は職務を中心に構成され、賃金は仕事に対して決定されるのに対して、後者は属性を中心に構成され、賃金は能力や年功に対して決定されます。
人事考課は公平に、かつ厳格に行われなければならないことはいうまでもありません。
適正な人材評価によって、力のある人の努力と成果に報います。
人事考課の結果は、賞与の算定、定期昇給、昇格・昇進の決定に用いられます。
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人事評価制度は、社員の成果を正しく評価することでモチベーションが高まり生産効が上がるように設計することが肝要です。
また、人材の能力開発が進むように設計できれば、仕事の生産性が向上します。
社内のコミュニケーションが活発化し風通しの良い組織になるようにすれば、会社と社員の相互信頼関係が築かれ永続的な企業成長が実現できるようになります。
このような観点から、人事考課制度は目標チャレンジ制度と密接な関係があります。
考課項目には重点目標の達成度、取り組み方などの目標に関する事項と、等級別資格の共通用件、職位別の共通要件が含まれます。
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具体的な導入手順;
・人事評価制度設計
・人事評価方針検討、概要設計
・マスタースケジュールの作成
・評価要素(成果、能力、人財価値etc)の検討、設計
・目標管理制度の検討、設計
・昇格基準の設計
・運用設計(考課サイクル、現場マネジメントとの調整)
・考課査定方法の設計
・人事評価制度マニュアルの作成
●人事制度
組織に所属して働く社員にとって、人事制度は最も大きな関心事です。
自分がどのように評価されるか、その評価に応じてどれだけの報酬が得られるか、自分が現在の組織に所属していて、どのようなキャリアを積むことができるか、そして自分の歩んでいくキャリアが、所属する組織以外でも通用するのかなどです。
これらは、企業人、社会人として生きるうえで根本的な問題にかかわります。
人事制度を構築するときには、三つの重要な要素を盛り込む必要があります。
・公平性と客観性
人事制度は、組織に属するすべての社員が客観的に見て、誰に対しても公正で納得できる制度でなければなりません。
・透明性とオープン性
組織に属するすべての社員が、各制度の全体像を見渡せ、自分の位置を常に確認できるようにしておくことが必要です。
自分の生み出した成果に対する評価がはっきりとわかり、得られる報酬の金額や広い意味で報酬の一部となる福利厚生制度の内容や、インセンティブがあれば、その獲得の可否もわかるようにしておきます。
また自分の将来のキャリアをどのように設計できるのかも、はっきりと明示しておくことが大切です。
・自由度と柔軟性
たとえば社員が自分のキャリアを選択できる自由度の高さや、労使双方が目標達成に向けてフレキシブルに活用できる柔軟な制度でなければなりません。
これらの要素を盛り込めば、社員にとって魅力ある制度になり、目標達成に向けハイパフォーマンスを生むことが可能になります。
そして、人事システムには各種の制度が含まれます。
人事システムは、企業内の従業員に関するあらゆる事項が有機的に機能するしくみ全体を指しています。
その中で中心となるのは、
・選抜/配置/異動
・育成/開発
・評価
・等級
・報酬
です。
中心には人があり、人には仕事が付随しています。
企業における最も大切な経営資源は人であり、人と知識・能力を活かす仕事は不即不離の関係にあります。
組織内に入るには、まず選抜を受けます。
また、逆に、退職して組織の外へ出ます。
このインフローとアウトフローには、一連のフローマネジメントが必要になります。
組織内の人は仕事を通じて自己実現を図り、自己啓発と企業が行う育成・開発の方針を受け、人材としてさらに成長します。
企業内での人材は能力・適性に応じて配属され、仕事をします。
仕事を通じて生み出された能力や成果は評価の対象となり、報酬という形で還元されます。
また、評価は再配置や育成・開発を行う際の重要な基準にもなります。
従業員は生涯の多くの時間を企業内で過ごしますが、常に適材適所、公正な評価、納得できる報酬、キャリアに役立つ教育が得られるかなど、企業の人事施策に敏感です。
経営者とともに人事システムを企画・立案、実施・運営する人事部門は、こうした従業員の期待に応え、組織的に最高のパフォーマンスが得られるようにしなければなりません。
●評価のしくみ
人事制度の運用や運営を支える基礎的なしくみは、評価・等級・報酬の三つですが、この中で、とりわけ評価のしくみは重要です。
評価のしくみで重要なものは評価対象です。
何を評価の対象にするかによって、人事制度そのものの性格が決まってきます。
・年齢、入社年次、勤続年数、学歴、経験など年功を評価することで、人事制度を運用することにすれば、これは年功主義に基づく人事制度ということになります。
・能力主義に基づく人事制度では、従業員が保有する知識・技能・接術、従業員に潜在する理解カ・表現力・企画カ・統率力などの職務遂行能力を評価することで、人事のしくみを運用します。
・従業員一人ひとりが1年間の仕事目標を定め、目標の困難度と達成度を掛け合わせることにより業績・実績・成果とし、これを評価して人事のしくみを運用するのが成果主義人事制度です。
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評価の対象を何にするかを決め、この評価対象に基づいて評価のしくみをつくり、評価のしくみが運用しゃすい環境を整えるが評価マネジメントです。
評価マネジメントの主なフローは、評価対象の決定、評価項目の決定、評価基準の決定、評価の実施、評価結果の決定、評価結果のフイードバックの順に進みます。
評価のしくみを決めると、等級や報酬のしくみは自動的に決まってきます。
等級や報酬のしくみに直結する評価マネジメントの原則は、人事制度そのものの原則に一致します。
評価のしくみに納得性、説得性があれば、人事制度そのものに納得性や説得性が得られることになります。
実際的には、評価する上司により評価が客観性を持って公正に実施され、評価される部下にとって評価結果が納得性や説得性に富むものでなければなりません。
しかし、完全無欠な客観評価というものはありえず、人が人を評価する以上、印象や主観が入ることは防ぎようがありません。
印象評価や主観評価を防ぐには、評価の一定のしくみが必要です。
・評価制度がシンプルでわかりやすく、かつフェアであり、評価制度の核心ともいえる評価対象・評価項目・評価基準がオープンになっていること。
・評価者が評価制度を十分に理解していること。
・被評価者自身の自己評価も実施され、上司評価とのすり合わせが行われること。
・最終的な評価結果が被評価者にフィードバックされ、異議申し立てには評価再検討委員会などが設けられていること。
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このような原則に基づく評価マネジメントは、評価結果を等級や報酬のしくみに反映させることを目的とするばかりでなく、人事制度そのものの目的に一致します。
・人事制度の基本的な考え方を実現する。
・組織を活性化させる。
・社内外の労働・雇用市場において市場価値の高い人材を育成する。
●評価の実施
評価マネジメントでは、評価対象を決め、評価対象を具体化した評価項目をつくり、評価項目それぞれに対する評価のものさしとなる評価基準を定めます。
評価対象、評価項目、評価基準は一つのパッケージで、これらは従業員に公開されなければなりません。
評価のしくみがオープンになることによって、評価のしくみに対する説得性や納得性が生まれるからです。
なかでも評価基準の公開は、評価のしくみに客観性を持たせるという意味で極めて重要です。
能力評価の評価対象は職務遂行能力であり、評価対象を具体化した評価項目は通常、知識・技能・技術と能力の二要素で構成されています。
職能資格ごとに期待される知識・技能・技術を保有しているか、潜在能力としての理解力や判断力などを保有しているかといったことを着眼点に評価を行います。
したがって、評価基準は、知識・技能・技術および潜在能力の保有レベルということになります。
実際的には保有レベルを、十分、ふつう、不十分、の三段階に分けて評価するしくみが一般的です。
しかし、知識・技能・技術の保有レベルは筆記試験や実技試験を行えば明確になりますが、潜在能力の保有レベルを測定するツールは見当たりません。
このため、保有していると思われるレベルを基準に評価が行われてしまい、上司による主観評価や印象評価に陥りやすくなります。
ここに能力評価の問題点があります。
こうした問題点の解決策として、成果を上げるプロセスにおいて日に見えるかたちで発揮された能力とその発揮レベルを評価基準とするコンビテンシー評価やバリュー評価があります。
かつて人事権は人事部門にあり、評価についても人事部門に大きな権限が与えられていました。
しかし、昨今では、現場の評価を重視する傾向にあり、職場や部下のことを最もよく知る直属の上司の評価、さらには直属の上司の上司の評価が重視され、人事部門の権限は後退しています。
価のしくみは人事部がつくりますが、実際に評価のしくみを運用するのは現場の管理職というシステムに変化しています。
この評価方法の典型が多段階評価です。
直属の上司が一次評価を行い、直属の上司の上司が二次評価を行うという方法です。
この場合でも人事部の調整は行われますが、調整は現場との協議のなかで行われ、現場の評価が尊重されます。
多段階評価は課長、部長、統括部長といった縦の関係で評価が行われ、部下と上司の相性や好き嫌いなど主観や印象が入り、評価の客観性に疑問が生じるケースもないわけではありません。
この欠陥を補う評価方法が多面評価(360度評価)です。
縦の関係ばかりではなく、多部門の上司、同僚、取引先や顧客など横や斜めの関係も取り入れて評価の客観性を保持する方法です。
最近では目標管理評価制度の一環として、被評価者自身が仕事目標の達成度などを自己評価し、上司評価とすり合わせ面談を行うしくみが注目を集めています。
評価方法と合わせて評価分布をどぅするかも重要な課題です。
評価分布には、相対評価と絶対評価の二つがあります。
相対評価を採用する企業も少なくないのですが、被評価者に対し納得性や説得性が高いのは絶対評価です。
職能資格制度に基づく人事考課制度では、能力考課にウェイトが置かれていますが、能力考課のほかに情意考課と成績考課という評価要素があります。
情意考課とは、勤務態度や仕事に対する取組姿勢などを評価項目とします。
評価ウェイトは、幹部社員と一般社員といった社員区分、資格や等級、職位ごとに変えるのが一般的です。
評価ウェイトは人事考課に対する企業の考え方で変えることができます。
評価要素の評価ウェイトはそのまま点数化することもできます。
評価要素ごとの点数を加点評価することにより総合点を算出し、総合点から総合評価を導くことができます。
この総合評価が評価結果であり、人事考課にほかなりません。
●成果主義
日本的な能力主義の代表例である職能資格制度は、属人、職務、能力など、多面的な要素が入り交じった制度です。
職能資格制度では、従業員の能力の程度に応じて役職とは異なる資格を付与します。
これを導入している企業ではほとんどの場合、職能資格に基づいて給与が決定されます。
職能資格は職務や役職に関係なく、従業員が保有していると思われる能力の程度に応じて資格が付与できることから、年功序列及びローテーションを基礎とする日本型人事制度を根幹から支えてきたといっても過言ではありません。
日本的であるがゆえの良さもありましたが、限界も明らかです。
これに代わって登場してきたのが、生み出す貢献度をより大きく反映する成果主義です。
成果主義では、ある一定の課題の評価について、最終的にその課題がどうなったかという点を重視します。
生み出した貢献度、すなわち結果のみを評価の対象とする結果主義の場合は、プロセスを一切無視するので、さまざまな不都合が生じてしまいます。
これに対して、成果主義は成果貢献度を軸に評価し報酬を決定しますが、プロセスや中間成果物も評価の対象とするのが特徴です。
現在の人事システムの中で、成果主義が優れているといわれるのは、何よりも従業員に企業の経営目標に沿った成果志向の行動を、強く喚起できることにあります。
成果主義では、ポテンシャルの高い人材には、より高い成果を生み出すチャンスを積極的に与え、コミットメントの度合いをさらに深めるようにします。
従業員には、より多くの報酬を得るチャンスと、自己実現の場が今まで以上に与えられることになり、従業員は目標達成のために自律的に行動するようになります。
また成果主義の導入により、社内での人材の流動化が進み、組織も柔軟性を持つようになります。
こうして個人レベル、組織レベルでの変化が起こり、企業内部にダイナミズムが次第に生まれてきます。
経営サイドでは、全従業員で得た成果を貢献度によって配分するシステムなので、より報酬のコントロールがしやすくなります。
さらに組織が柔軟性を保てれば、外部環境の変化への対応も、ますます容易になってきます。
真の成果主義は、企業が自ら実現しょうとする経営目的に向け、個人、組織ともに、一致した方向を目指してより活動しやすくする人事システムといえます。
●コンピテンシー評価
コンピテンシーとは、ある職務や状況において、期待される業績を安定的・継続的に達成している人材に、一貫して見られる行動・態度・思考・判断・選択などにおける傾向や特性のことです。
もともとは、ハーバード大学の心理学者であるデイビッド・C・マクレランド教授を中心にしたグループが、1970年代初めに米国務省から「外交官(外務情報職員)の採用時のテスト成績と、配属後の実業績に相関が見られない」ことに対する調査依頼を受け、行った研究に由来します。
マクレランドは、高業績を挙げているハイパフォーマーを抜き出し、質問手法を用いて高業績者の考えや行動を明らかにしたうえで、その事実から高業績につながる要因を抽出、数値化できる尺度を作り上げました。
マクレランドはハイパフォーマーの特性をコンピテンシーと呼び、外交官においては「異文化に対する感受性がすぐれ、環境対応力が高い」「どんな相手に対しても人間性を尊重する」「自ら人的ネットワークを構築するのがうまい」と発表しました。
その後、マクレランドの後継者の1人であるリチャード・ボヤティズが、約2000名の管理者(12組織/41管理職職務)の仕事の成果と能力の関係を調査し、1982年に「The Competent Manager : A Model for Effective Performance」という書籍で発表しました。
ここではコンピテンシーは、「ある職務において、効果的で優秀な成果を発揮することに密接な関係する特徴」とされ、同時に6クラスター、21のコンピテンシー項目からなるモデルが紹介されました。
コンビテンシーは、成果を上げ続けることのできる行動特性、再現性のある成果行動能力と定義づけられ、企業それぞれのハイパフォーマーの行動特性から抽出された成果行動能力を意味します。
ハイパフオーマーの行動特性から抽出されたコンビテンシーを発揮すれば、ハイパフオーマー以外の社員も必ずや成果を生み出すであろうという仮説によって成立する新たな能力評価のしくみがコンピテンシー評価です。
能力評価でいう能力は、職務遂行に必要な保有能力であり、成果を上げるために求められる潜在能力であり、期待能力です。
しかし、コンピテンシー評価でいう成果行動能力は、成果を実現する上に不可欠な発揮能力であり、行動を伴った顕在能力です。
同じ能力評価ですが、ここに大きな違いがあります。
コンピテンシー評価はまた、成果評価を補完するしくみとして活用されています。
成果評価が単年度評価であるため、中長期の成果責任意識が希薄化し、結果オーライに陥りやすいデメリットを持っているからです。
コンビテンシー評価では、最終成果に至るプロセスも評価対象とします。
したがって、コンピテンシー評価の評価対象は、最終成果の達成に向けたプロセスで発揮された独自の思考・行動=コンビテンシーと、会社業績の向上に間接的、中長期的に貢献する中間成果の二つになります。
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