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雇用・人事・労務・その他・業務

厚生年金基金の概要

 日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人は、国民年金に加入することになっています。

 これにより、将来すべての国民に共通する「基礎年金」をうけます。

 そして、民間の会社に勤める人は国民年金のほかに厚生年金保険にも加入し、退職もしくは70歳になるまで加入し続けます。

 厚生年金保険からは、在職中の給料に比例した「厚生年金」をうけます。

 しかし、国の年金制度だけでは必ずしも十分でないのが実情です。

 そこで、厚生年金基金は、本来、国が支給する老齢厚生年金の一部を代行し(=代行制度)、さらに、企業・業界独自の年金給付を設計することによって、従業員(加入員)に対して高齢期の所得を保障する役割を果たしています。

 平成9年4月末現在では、基金数1,888、加入員数約1,260万人と、厚生年金保険の被保険者の約37%を占めています。

 厚生年金基金に加入する事業所で働く人は、国の年金に加えて厚生年金基金にも加入します。

 加入は、厚生年金保険と同様に、入社から退職もしくは70歳になるまでです。

 

 そして、将来、基礎年金、厚生年金、基金の退職年金の3つの年金で保障されることになります。

●保険者

 厚生年金基金が、ある一定規模以上の企業が基金を設立して、社員の年金保険料の一部と、企業からの上乗せ分を運用します。

 厚生年金基金は厚生労働大臣の認可を受けて設立される特別法人で、厚生年金に加入している会社員を、対象にしています。

●被保険者

 厚生年金基金に加入する事業所で働くと、国の年金に加えて厚生年金基金にも加入します。

 厚生年金基金のある企業に入社したときは、自動的に基金に加入することになります。

●保険料

 基金加入中は、毎月の給料やボーナスから国に厚生年金保険料を、基金に掛金をそれぞれ納めます。ただし、基金の上乗せ給付分は会社が全額負担しているため、基金未加入の人に比べて負担が増えるわけではありません。

 企業からの上乗せ分があるため、社員は同額の厚生年金保険料にもかかわらず、基金からの年金を別に受け取ることができるわけです。

 保険料・掛金の額は、給料やボーナスの額に応じて計算されます。

 具体的には、実際の給料を標準報酬月額(基金では報酬標準給与月額)に、ボーナスを標準賞与額(基金では賞与標準給与額)にそれぞれ置き換えて、それに保険料率・掛金率を乗じて算出します。

●給付

 基金からうける給付は、国の老齢厚生年金がベースとなる「基本部分」と基金が独自に設計する「加算部分」に分かれています。

・基本部分の給付

 老齢厚生年金の一部を国に代わって支給する「代行部分」に、さらに「プラスアルファ分」を上積みした年金です。

 国の年金をうけるには25年以上の加入期間が必要ですが、厚生年金基金では、基本部分の年金は加入1ヵ月以上から終身うけられる場合が多いようです。

・加算部分の給付

 基金加入後一定年数以上の人を対象とした給付(年金または一時金)です。

 なお、パートおよび嘱託、臨時職員をのぞく場合が多いようです。

 給付にかかる費用は、すべて事業主によって賄われています。

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 基金に長く加入した人ほど、年金は手厚くなります

・基金の給付は、基金加入期間に応じて、うけられる給付の組み合わせ(基本部分・加算部分)が変わってきます。

・年金額・一時金額は、在職中の給料(標準給与月額)や退職時の年齢などが計算に反映されます。

●その他

 次のような上部団体があります。

 全国総合厚生年金基金協議会

 http://www.zensouki.jp/introduction_outline.html

企業年金連合会

 http://www.pfa.or.jp/

●厚生年金の減額

 厚生年金適用事業所に勤務している人が60歳以降も厚生年金適用事業所に勤務するときは、在職中、厚生年金が減額されます。

(厚生年金適用事業所に勤務している人が60歳以降は共済年金適用事業所に勤務するときは、在職中、厚生年金は減額されません。)

▼60歳以降

 厚生年金には、60歳以降も会社勤めをして給与をもらうと、年金額が減額される在職老齢年金という制度があります。

 たとえば、特別支給の老齢厚生年金を受給している65歳未満の人が、働いて厚生年金に加入したときは、給料と、その月以前1年間の賞与を月平均したものを合計した額と、年金月額を勘案して、年金額が減額されます。

 しかし、次の要件を満たしている人なら、年金は減額されません。

・厚生年金に加入していない

 個人事業所に就職しそこが厚生年金の適用事業所ではないときや、労働時間が「1日または1週間の勤務時間が正社員に比べて4分の3未満」、かつ、勤務日数が「1か月の勤務日数が正社員に比べ
4分の3未満」であるとき。

・収入が給与以外、たとえば、不動産収入、遺産相続、事業収入など、厚生年金と関係のない収入であるとき。

・年金と収入の額が、給与と賞与の月平均と年金月額(加給年金を除く)の合計で28万円以下であるとき。

▼65歳以降

 在職老齢年金は年齢によって異なります。

 65歳以降の在職老齢年金については、生年月日によって在職老齢年金の対象になる人・ならない人がいます。

・まず、2002年4月から厚生年金の被保険者資格が65歳から70歳になりました。

 この関係で;

 2002年4月以降に65歳になる会社員(1937年4月2日以降生まれ)は、70歳まで厚生年金に加入し、在職老齢年金が適用になります。

 2002年4月の時点ですでに65歳以上になっている会社員(1937年4月1日以前生まれ)は、70歳まで厚生年金に加入しますが、在職老齢年金の対象者ではありません。

・次に、2007年4月から一定の70歳以上の人にも在職老齢年金が適用されます。

 この関係で;

 1937年4月2日以降生まれの会社員で、70歳以上の人には在職老齢年金が適用されます。

 なお、厚生年金保険料の負担はありません。

 また、65歳以降で在職中の場合は、老齢厚生年金については減額されますが、老齢基礎年金は全額支給です。

●厚生年金の繰下げ

(国民年金の老齢基礎年金は65歳から受け取るのが原則ですが、希望すれば65歳より前に受け取ることも、65歳以降に受け取ることもできます。前者が繰上げ受給、後者が繰下げ受給です。)

 厚生年金の場合は、報酬比例部分相当の老齢厚生年金は、平成36年度までは、年齢によって60〜64歳から受け取れます。

 繰下げについては、生年月日によって受給の取り扱いに違いがあります。

・1937年4月1日以前生まれの人

 老齢厚生年金の繰下げ受給ができます。

 この場合、老齢基礎年金と一緒に繰下げ受給することになります。

・1937年4月2日から1942年4月1日生まれの人

 老齢厚生年金の繰下げ受給はできません。

 ただし、老齢基礎年金のみを繰下げ受給することはできます。

・1942年4月2日以降生まれの人

 国民年金の老齢基礎年金のみの繰下げ、厚生年金の老齢厚生年金のみの繰下げ、両方の繰下げのいずれもが可能です。

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 繰下げ受給は、65歳からの老齢厚生年金が対象です。

 退職、在職にかかわらず、繰下げ受給することができます。

 ただし、在職中の人が年金を受給した場合は、支給停止されるであろう年金を控除した残りの老齢厚生年金が繰下げ受給の対象になります。

 繰下げ受給にすれば、0.7%分が月単位で増額され、期間に応じて毎月の年金額が増えていきます。